新人営業マンがやるべきこと【第59回】

桜営業論

新しいシーズンがまた始まりました。私の会社でもフレッシュな新入生が入ってきました。先日も新入社員講和ということで少しお話をさせてもらったのですが、みんな表情にやる気がみなぎっており、楽しみです。恐らく、その中には営業マンとして頑張っていく人も多数いたのではないでしょうか?
私のサイトも営業マンからの問合せが結構多いですし、営業関連の投稿はPVが伸びます。今回はやや砕けた感じになりますが、新人営業マンに送るエールとして、営業マン『ちょっとした差がつくテクニック初級編』を説明したいと思います。過去の記事にも似たようなものがありますので、是非、関連記事やカテゴリーから一緒に読んでみて頂けたらと思っています。

営業部門に配属されたら

BtoB系製造業(法人営業)の営業

私もサラリーマン生活の3分の2は営業職だったので、やはり営業への思いはひとしおです。過去の投稿でも必ず書いていますが、会社の中でお客様と対等な立場で話ができる唯一の職種ということにおいて営業は『誇り高い職種』だと思っています。
営業にはいろいろなスタイルがありますが、やはり醍醐味はBtoB系の製品営業(法人営業)が一番おもしろいですね。自社の製品をあの手この手を使ってお客様に提案、販売をしていく営業スタイルは、一般的な営業のイメージだと思います。
法人営業の特徴については『勝てる営業、勝てない営業【第52回】』で詳しく解説していますので、余裕があればこちらもご参照下さい。

勝てる営業、勝てない営業【第52回】
営業論については、過去にもたくさん投稿してきました。また、自身の失敗例から学んだ教訓なども、『私の失敗シリーズ』などでいくつかご紹介をしてきましたが、やはり、営業というテーマで投稿するとPV数がかなり上がります。特に最近は就職活動の時期も...

法人営業は購買決定権者を探し出し、その購買決定権者に対し『メリット』をもたらすことで販売する営業スタイルです。購買決定権者複数の場合もありますし、もたらす『メリット』もいろいろなことが考えられます。
私も購買決定権者を誤って失った商談もたくさんあります。小さな会社で社長と商談を詰めていたところ、最後の最後に金庫番の奥様(専務)が出てきて失注したり、大きな会社では設備購入役員と長期間に渡り商談を進めていたにもかかわらず最終局面でワンマンのオーナー会長が出てきて、金額だけで他社に敗戦したりを経験しました。本当に勝負は下駄を履くまでわからない、『商談は納品するまで油断できない』というのが営業時代に常に思っていたことです。
また『メリット』というのもさまざまです。全ての購買決定権者がその会社の『収益』だけのために購入を決定する訳ではないということです。特に購買決定権者が企業のオーナーではない場合、『メリット』は『自分の評価』になることが多いです。
購買決定権者欲求をしっかりと捉えて提案をしないと、思わぬ逆転を許すことにも繋がります。
それだけに日頃の営業活動でお客様と強いリレーションを結ぶことが法人営業には何よりも重要になるわけです。

新人営業マンが心掛けること

とはいえ、入ったばかりの営業マンが、いきなりお客様とのリレーションと言われても、知識も営業テクニックもない状況ではどうすることもできません。
私は過去にも、このブログで話をしているのですが、それほど営業に向いている性格ではありませんでした。やや人見知りで遠慮がちだったので、自分を常に積極的にすることを考えていました。
そうして3年目ぐらいから、徐々に営業の成績があがり5年目からは常にトップクラスの成績が上げられるようになりました。
お客様に恵まれたのかもしれませんし、今でも明確な理由ではないかもしれませんが、心掛けていたのは下記3点で、これは今でも私の営業の基本思想です。

1)訪問量を誰よりも増やす
2)情報を取って蓄える
3)アクションを高速にする

この3つの心掛けは、知識やテクニックがなくてもできるスキルです。(本当は、この中にいろいろなテクニックが隠されているのですが、それはまた次回に)
DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)などが活用され、コモデティ性の高い製品(自動車や住宅など)の販売において営業マン不要論などが出ている時代(実際に国土の広い北米では営業マンの数が激減している)そんな中、極めてアナログな心掛けですが、この基本はいつの時代も絶対です。

逆説的なタイトルですが、実は営業は重要ですということを書いた『営業マン不要論【第29回】』も良かったら覗いてみて下さいね。

営業マン不要論【第29回】
これからの時代、営業マン不要論がかなり現実味を帯びています。特にコロナ禍の中、対面販売が物理的に不可能になり、各企業は対面しないでも可能な販売スタイルを急ピッチで対応してきました。BtoB系製造メーカーも、ZoomやTeamsなどを活用し...

訪問量(活動量)を増やす

効率が求められる時代、訪問数や訪問管理が重要か?というのは、よく営業会議でも言われることです。実際に私もブログの中でも、成熟市場での営業はアカウントマネジメント活動(優良顧客を選んでたくさんの製品を買ってもらう)であることを強調しています。
しかし、新人営業マンに限定した場合、とにかく活動量です。下手な鉄砲。。。じゃないですが分母が多い方が、見込み客にぶつかる可能性も高まります。また、訪問を多くすることで短期間に業界の決まりごと(専門の用語や業界内での力関係、自社製品のポジションなど)が身につきます。
この業界の決まりごとはなかなか座学の教育では伝えられません。これを獲得するだけでも訪問量を増やすことは新人営業マンにとって大事なことだといえるでしょう。

私は、お客様に会うことについては苦痛ではなかったので、本当にたくさんの件数回りました。特に夕方は17:00からが勝負とばかり、今、考えると失礼な訪問も多かったかもしれませんが、夕方訪問し、そのまま夕食をお客様のご家族とご一緒したりすることもしばしばでした。
その時、一緒に食事をした小学生が現在、その会社の社長になったりしていることを考えると、そのリレーションは30年経った今でも強固に役立っていると言えます。

情報を取って蓄える

私が新人のころは携帯はおろか、PCですら、フロアに1~2台程度(上場企業ですが。。。)で事務の女性しか使うこともできなかった時代でした。提案資料も切り貼りやら手書きやらで、それこそPCでお客様向けの書類を作るなんてことになったら、ケーキと引き換え!?に事務の女性を口説かなければいけないような状況でした。
そのような時にPCが使えた私は、今まで手書きと修正液で管理をしていた顧客リストをデータベース化しました。(確か JustSystemのAssist Cardだったかな)
これによってユーザーの情報がデジタル化され、更新が早く正確になり、また細かな情報(お客様内の異動情報や、経営者の系図?)も追記できるようになりました。
常に得た情報をデータベースに追記して、これを元に訪問のヌケモレや、ターゲットの絞り込みをやっていたので、この顧客情報が私の販売に大きく寄与したことは間違いありません。

営業はよく戦争に例えられて説明されることが多いです。戦略とか戦術などと言う言葉も、元は全て戦争の局面で使われていた言葉です。
戦争で敵の情報を取らずに攻め込んだら負けることは必至です。これは営業の場面でも一緒です。とにかく情報を集めて蓄積することで、正しい戦略戦術に導くことができるのです。

今の営業マンの環境は恵まれすぎています。ほとんどの会社にクラウド型CRMSFAツールがあり、出先でも自宅でもお客様の情報がたちどころに取れます。
ところが、若手の営業マンと同行して、お客様の直前に『ここはどのくらいの規模で、どこの仕事をメインでやってるの?』とか『ここはどういう設備を持っているの?』と聞いたりすると、しばしば『まだ良くわからないんです』という返答が返ってきます。
これらはデータベースを叩けばすぐに出てくる情報で、実は私もこっそり調べて、それ以上の情報を持っているのか聞きたくて質問を投げかけているのですが、正直ガッカリします。
これらのCRMSFAツールは追記できるメモ機能もありますし、また受け取った情報を関係者に一斉送信できるチャッター機能なども必ず備わっているので、そのようなデジタルツールは、フルに活用して、情報収集蓄積、また共有するようにしなければなりません。

CRMSFAなどについても過去の投稿で書いていますので、もう少し知りたい方はこちらも併せてご覧ください。

CRMとSFA【第33回】
顧客情報(リスト)無しで販売活動をするということは地図を持たずに知らない土地を旅するようなものです。私が入社したころは、まだPC(オフコンと呼んでいましたが)もフロアに1~2台しかなく、ユーザー管理も納品台帳からドットプリンタで印字したも...

アクションを高速にする

さて、最後はアクションの高速化です。つまり『何かを頼まれた時のレスポンスを最速にする』ということです。これも、駆け出しのころに痛い目に何べんも合ったことで、どんどん高速化していきました。キャッチボールで『受けとったら、すぐ返球する』といったイメージです。

訪問していれば、お客様からいろいろなことを頼まれます。簡単なことなら自分で対処できるかもしれませんが、新人のころは自分で解決できないものが非常に多くなってしまいます。
そして、ほとんどの場合『誰に聞いたらいいのだろう』というところで引っかかってしまうのです。
アクションを高速にするためには、このファーストレスキューの人(ちょっと上の先輩がベスト)をしっかり決めておくことです。
このファーストレスキューが使えるのは、せいぜい3年目までです。いつまでも聞いていたら『自分で考えろ!』ということになってしまうので新人営業マンの特権だと思って新人のころは多いに使って下さい。
ファーストレスキューには遠慮は禁物です。『昨日も質問したしなぁ、聞きづらいな』なんて遠慮していたら、今度はお客様から大きなクレームがきます。遠慮は禁物ですが、解決のプロセスを教えてもらったら、次回からは自分で進めていくことです。この経験の積み重ねがアクションを高速に保つことができるのです。
また、このアクションの高速化は、なにもお客様の課題を解決するときにだけ発効するわけではありません。先ほどの場合、ファーストレスキューの助けを求めている時にも、お客様は返事を待っているわけです。途中経過を逐次報告するのもアクションの高速化です。
私的にはクレーム1時間商談1日お客様の待てる限度だと思っています。これを超えそうな時は、必ず途中経過を入れるクセをつけましょう。

『ちょっと、しつこいかな』ぐらいの報告がお客様対応にはちょうどいいぐらいです。このように細かく報告していると、確実にお客様の信頼を獲得できます。
また、ちょっとした依頼ほど、アクションの最速化を活用して対応すると『〇〇さんはこんな些細なことで、すぐやってくれるのだから、大事なことを頼んだ時もちゃんとやってくれる』といった高評価がつくものです。
社内や関連会社などでも、アクションの最速化を心掛けていると『この人はすぐ返答してくれる人なので、自分が頼まれた時もすぐ返さなきゃダメだな』という心理が働き、意外と優先順位を上げてくれるものです。

さて、今回は、かなり砕けて新人営業マンに送るエールということで私が新人時代に実践していた3つの心掛けについて説明をさせて頂きました。もっとおもしろいエピソードはたくさんあるのですが、本当に止まらなくなってしまうので、また別の機会に投稿したいと思います。
今回は新人でもすぐにできる3つを説明しましたが、それぞれ『極端なぐらい』やらなければ、他の営業マンとの差はつきません。他の人の倍以上訪問する情報を集めるスピード対応するを続けていれば5年で確実に頭一つ抜け出すことができると思います。
では、今回はこれまでです。ごきげんよう!

営業職の適正【第35回】
BtoB系製造メーカーにおいて、以前は新卒で文系採用されると大部分の人は営業部に配属され、また営業職希望者も非常に多かったです。販売推進部や商品企画部などは、どちらかというと営業適正がない、とみられた人が回される部門で、営業部は開発部と並...

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