CRMとSFA【第33回】

CRMマーケティング

顧客情報(リスト)無しで販売活動をするということは地図を持たずに知らない土地を旅するようなものです。私が入社したころは、まだPC(オフコンと呼んでいましたが)もフロアに1~2台しかなく、ユーザー管理も納品台帳からドットプリンタで印字したものをベースにして、歴代の営業担当者が修正や追記したものを使って営業していました。今では考えられないですね。本日は、だいぶ浸透してきたCRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)とSFA(セールスフォースオートメーション)について解説したいと思います。

CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)ツール

CRMって何?

CRMとはカスタマーリレーションシップマネジメントの略で、Wikipediaによると『顧客満足度と顧客ロイヤルティの向上を通して売上の拡大と収益性の向上を目指す経営戦略/手法』とのことです。私自身もCRMという単語はしょっちゅう使っていましたが、頭の中は顧客データ管理ツールのことをイメージして使っていました。あくまでも単語の意味は経営戦略、経営手法の一つなんですね。
とはいえ、一般的にはCRMと言えば顧客データ管理ツールのことを指すことが多く、今回もそのイメージで書き進めさせて頂きます。

私ぐらいの年齢の読者は、恐らく若いころ紙による顧客管理を経験している人たちだと思いますが、前述のWikipediaの解説をそのまま考えれば、この紙による顧客管理も立派なCRMということになります。BtoB系製造メーカーは、顧客の数がそれほど多くないため、紙でも十分間に合っていました。
ただ紙のデータベースとはいえ、販売実績を上げていた営業マンは必ずといっていいほど、しっかりとした顧客リストを作成していましたし、それが営業マンの最大の武器でした。これがまさにCRMツールのベースメントだと思います。

従来の営業とソリューション営業【第7回】
さて、今日は販売(営業)部に対してソリューション営業を展開した時の話をします。営業という職種、特にBtoB企業(法人営業)の営業マンは個人商店化することが多く、なかなか情報共有が難しい部門です。まぁ、当然ながら私も営業時代は、営業車の中が...

手書きの顧客リストの弱点は、更新が煩雑共有ができない情報量が限定的2次利用ができないなどの問題が出ます。そこでデータサーバーを活用した顧客データベースが必要となり、次第に機能が増え、今のCRMツールへ発展していきました。
ちなみに私の会社では計3回、このシステムが変わりました。その都度、私たち営業マンが一生懸命収集したデータとお別れしたり、また操作も一から覚えるという手間を経験しましたが、3回も経験するとそれなりに受け入れる土壌ができており、今はSalesforce社のクラウド型CRM/SFAツールを活用していますが、意外とスムーズに導入できました。いずれにしても、手書きのころを知る人間からすると現在のCRMツールは夢のようなツールですし、顧客データは会社の財産ですし、100件以上の顧客がいればCRMツールは必須のツールと言えるでしょう。

CRMツールを導入し、活用していく時のポイントは以下の3点です。

1)データメンテナンスのルール
間違ったデータが入ったら逆にチェックが働きにくくなります。良くあるのが、亡くなったお客様へ販促物を発送してしまったりすることです。(どういう訳だか最も届いてはいけないお客様に行ってしまうものなんです。。。)会社名、住所、人物名など間違いが許されない項目についてはチェックフローを設けて、更新依頼者が勝手に修正できないようにしなければなりません。
また、発送データは発送の度に営業マンによるチェックをしてもらったり、発送物にデータ修正用の用紙(氏名、役職、部署名などが間違っていたらご報告ください、といった用紙)を同封するなど、常に最新のデータに更新されていなければなりません。
最近ではe-Mailによる販促も多いので、発送者がチェックする間もなく一瞬にして情報が転送されてしまいます。このデータメンテナンスについてはしっかりとしたルール決めが必要です。

2)ワンソース化
会計システムや人事就労システムなどいろいろなシステムが会社の中で動いています。また既存の顧客データベースなどがある場合、全てを統合しようと欲張ると、なかなか導入できないですし、逆に連携が少ないとシステムが社内に混在し、余計手間が掛かります。
CRMツール顧客データ管理と割り切って、販売に関わる部分(顧客情報、発送リスト情報、過去の販売情報、営業活動情報、商談情報、信用情報など)を可能な限りワンソース化するように考えましょう。またクラウド型のCRMツールを採用した場合、おつきあいはほぼ永続的になります。どこまでをクラウド化し、どこまでを社内データベースからリンクさせるかをしっかりと決めておくことも重要です。

3)カスタマイズは最低限
システムを導入する時に、今までと同じやり方になるようにカスタマイズを要求することがあります。確かに活用する側からしたら、それが最も馴染みがありすぐにスタートできるのでしょうが、これをやっていたら効率は上がりません。そもそもシステムは最も効率よく作られているわけですから、極力そのままで使用するのが良いわけです。今までのプロセスをシステムに合わせていくことが重要です。1か月使用していれば徐々に慣れますし、それでも不便なところはその時点で修正すればいいと思います。なによりカスタマイズすると費用が大幅に増えます。

SFAって何?

対して、最近SFAというツールも良く出てきます。SFAセールスフォースオートメーションの略で、こちらは製品販売に特化したツールと思って頂ければよいかと思いますが、いまCRMツールSFAツールもワンパッケージになっているケースが多く区別が難しいですね。
こちらの機能は営業の日々の活動を共有化し、商談管理に活用されるツールです。例えば毎日の営業活動(日報)がSFAツールで管理をされると、直接会えなくても上司にコメントを残すこともできますし、上司もフィードバックすることができます。最近はチャット機能を使うと、その日報に関係する人に転送することも可能で、情報の共有には欠かせないアイテムになります。
また、営業会議の時などは、会議発表用のテンプレートを作成すれば、自分の商談、課の商談の一覧が瞬時に作成できるので、Excel等で資料をいちいち作成することはなく、全員SFAツールを活用して報告することが可能となります。極端なことを言うと発表の1分前まで更新が可能ですから、よりリアルタイムな商談報告が可能となります。(他の人の発表聞かないで自分の商談をSFA使って修正しているという本末転倒なことがおきますが(笑)。。。)

Excelでの発表は、確かに見やすいのですが、資料作成時点の情報となり、ややタイムラグが出ます。SFAツールで商談情報をデータベース化すると、担当が80%の確度で受注できると入力していても、上司が『いや、50%ぐらいだな』と思えば、その時点で修正することが可能です。あくまでも1つのデータを修正しているので、重複やズレが発生しないことも特徴です。まさにワンソース・マルチユースというわけです。
ちなみに私が感じているSFAツールの弱点は以下の通りです。(あくまでも私の感想です)

①表示機能が弱い・・・いろいろなダッシュボードは作れるがExcelにはかなわない
②数字の集計機能が貧弱・・・商談プロセス管理なので合計はできるが達成率などの数式集計は苦手
③受注と売上概念が無い・・・基本、商談発生から受注までを管理するツール

さてMAツール(マーケティングオートメーション)まで行こうと思っていましたが、今回も長文記事になったのでMAツール導入の件については近々にまた投稿します。今回はやや紹介的な記事になってしまいましたが、最後にSFAツールのメリットをまとめて終わりにします。
では、また次回、ごきげんよう!

SFAツールのメリット】
1)日報機能による報告とフィードバック、営業マンの訪問管理
2)商談ステータス機能による商談の確度管理
3)レポート機能を使った会議資料の一元化、リスト作成の簡易化
4)チャッター機能による情報の共有化

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