先延ばしにしない習慣【第47回】

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先延ばし営業論

『先延ばし』後回し』。人生においてこれに懲りたことがない人はいないのではないでしょうか?子供のころの夏休みの宿題に始まり、高校時代の試験勉強など、直前になるまで手をつけないで後悔したことって誰にでもありますよね。今回は、自分の数々の後悔から徐々に会得したこの『先延ばし』に対抗する手段について説明させて頂きたいと思います。かなり私見なので、どれくらい参考になるか心配ですが、日ごろ『先延ばし』で悩んでいる方のヒントになればと思っています。

人はなぜ先延ばしをしてしまうのか?

パーキンソンの法則

このテーマで話をする時に『パーキンソンの法則』は避けて通れません。第一法則と第二法則があるのですが、いずれも『人間は、期限(上限)を決めなければ最大限使ってしまう』といった法則です。

第1法則:仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する
第2法則:支出の額は、収入の額に達するまで膨張する

この法則を持って『人間は時間があればあるほど先送りをする』という結論が導き出されます。ある意味、正しいかなと思いますね。
私も納期がたっぷりあるセミナーの資料などは、ズルズルと完成まで時間がかかってしまったりすることが多いですし、上述の試験前や夏休みの宿題なども典型例です。
この法則は、しばしばビジネスマンの行動理論として『先送りしないためには時間の制限をつける』ということを説明するのに使われています。俗にいう『デッドラインを設定しなさい』ということですね。

しかし人間もバカではないので、失敗や後悔した経験から次は早めに準備をするようになりますし、ビジネスマンにとって先に起こることの予測と準備は、なにより重要な能力なので、デッドラインぐらいはみんな設定して行動していると思います。問題はデッドラインを設けているが、それでもなんか業務が進まない、溜まってしまうということに悩んでいるわけです。

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行動意欲の公式

すみません、行動意欲でググってみたのですが、この公式は出所がわかりません。しかし私の意識には非常に植えつけられているのでご紹介させて頂きます。もし、『これは私が作ったものだ』と言う人がいらしたらご指摘ください。いずれにしてもこの公式は引用ですが、非常に良くできていると思います。

行動意欲の法則

分数なので分子が大きければ大きいほど、また分母が小さければ小さいほど、行動意欲が高まる、つまり先延ばしをしなくなるという公式です。

今回は結果を会議資料を作成するための行動意欲にした場合でこの公式を見ていきましょう。
まずは分子の『価値』は自分にとっての価値なので『やりたい、やったら面白い』という気持ちです。また『期待』はそのタスクを達成するための自信の程度と考えます。
例えば、重要な会議の資料を任され、自分をPRするんだというモチベーションのもと、『こんな感じで構成したらうまく説明できる資料が作れそう』なんて感じている時は『価値』『期待』も大きくなっているので、行動意欲、つまり先延ばししなくなるのです。
逆に、上司から無理やり押しつけられた興味のない会議資料を作らされている時などは、『価値』『期待』も小さくなるので、先延ばしするようになるのです。

分母側の『衝動性』は浮気度といった感じでしょうか?目的に対して進めている時に目移りしてしまうことで、明日テストなのに急にマンガが読みたくなったり、SNSに没頭してしまったりするのは衝動性が高いと判断します。あるなぁ。。。また『期間』は仕上げるまでの納期です。これは前述のパーキンソンの法則でも言っていた通り、あんまりやる時間が長いと後回しにしてしまうという法則通りの話です。当然ながら目移りして集中せず、また納期がたっぷりあると分母の数字が大きくなり、行動意欲は低くなる、つまり先延ばしするようになるということです。この公式、良くできてますよね。

先延ばししなくなるためには

まず簡単なものをつぶす

では先延ばしを防ぐためにはどうすればよいのでしょうか?ここからは私の先延ばし克服習慣をいくつかご紹介します。何かヒントになればと思っています。

基本的にやることがないのに先延ばしをするということはあまりないですし、そもそもそんな方はビジネスマンとして失格です。たいていの方はやることが一時に集中してきて先延ばしをしてしまうことが多いですよね。

1)書き出す
これは誰もがやっていると思います。やらなければいけないことを些細なもの、重要なもの構わず書き出します。そして、その横に納期を書きこみます。この際の納期実際の納期の2~3日前にします。
毎週月曜日の朝に、この作業からスタートすることが多いですね。
またリマインダやデジタルポストイットなどデジタルを使われる方も多いですが、私はコピーの裏紙へ走り書きをしています。キーボードを打つと意外と途中で忘れちゃうことが多いので、とにかく頭に浮かんだやらなければいけないこと殴り書きしていきます。

2)簡単なものからやる
次に納期が早いものからではなく、簡単なものから始めます先延ばしの原因に『何から手をつければよいのかを悩んでいる』ことが多いです。先ほどの行動意欲の公式では、価値期待が定まらず、思考停止になっている感じですね。
まずは簡単なもの、つまり期待の高いものをどんどん処理してしまうことです。何かに取り組もうとしたときに最初の20分で始められないものは5時間考えてもたいして変わりません。それで無駄な時間を過ごすのであれば、できるものをどんどん処理することで、達成感を感じるようになり、また残ったものの優先順位をつけやすくなります。これを先ほどの行動意欲の公式に当てはめると、期待(やれるという自信)が高まれば、分子側が増えるわけですから自然と行動意欲は大きくなるということですね。

是非、書き出し前倒し納期簡単なものからやるを実践してみて下さい。

とにかく手をつける

さて、次は難易度の高い仕事の進め方です。前述の通り、考え始めて20分程度で始められない、イメージが浮かばない仕事は、得てして時間がかかってしまう仕事です。
このような仕事の行動意欲の秘訣は、パワポの資料だったら、まずタイトルだけでも、Wordのレポートなら100文字だけでも始めることです。
実はこれも行動意欲の公式で当てはめると良くわかります。少しでも始めたことで価値、つまり『やりたい』という気持ち、また期待『やれそう、大丈夫だ』という気持ちを両方高め、公式の分子を大きくすることで行動意欲が高まるわけですね。人間はとりあえずたたき台ができていることで、モチベーションが高まりますし、部分修正をしていくことは比較的たやすく実行できます。

1)まず手をつける
セミナーや会議資料なら表紙だけでも、レポートなどであれば日付とタイトルだけでも作成する

2)できるところを書く
起承転結4枚だけでも書き出す、またとにかく、思いついたことを箇条書きで書き出す

3)1日3回は開いて、少しでも前進させる
頻繁に制作途中の業務を振り返り、その都度何でも良いので業務(資料作成)を進める

4)時間を決めて2時間集中する
ある程度、やらなければいけない情報が集まったら、2時間以内に仕上げなければならないという仮の納期を自分に課して集中して全体を一回仕上げてみる

メールは速攻!

メールやちょっとしたことを依頼されることがあります。意外とこのようなものが溜まり行動意欲を落としてしまうことがあります。この手のものは速攻で返すクセをつけましょう。キャッチボールで例えれば受け取った瞬間に投げ返し、絶対ボールが自分のところにある状態にしないことです。
以前の投稿で『つまらない依頼ほど丁寧にスピードを持って対応することが必要』と説明したことがありましたが、
また、スピード返信は大事ですが、送信前の自己レビューは必ずやって欲しいものです。最近、私は必ずやっているのですが、自己レビューすると、2回に1回ぐらい誤字脱字を見つけますし、レビューをすることで、もっといい言い回しができたりすることも多いです。
また良くあるのが添付文書の付け忘れ違う添付文書だったりして再送信することですね。後者は状況と添付された書類によっては大変なインシデントになる可能性もあります。いずれにしても誤字脱字や添付忘れなどは、送信相手先に雑なイメージが残ってしまいますので要注意です。

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全てを背負わない

仕事で抜き差しできない状況になり、最終的には先延ばしになっている人にはある特徴があります。またこういう人たちは、決して仕事が遅かったり、できない人ではないことも多いです。
一つは優先優位のつけ方が下手な人、そしてもう一つが全て自分一人で進める人です。前者はセンスもあるのである程度、自分で努力をしなければなりませんが、後者は一度お願いする勇気があれば、劇的に業務効率を高めることができます。とくに中間管理職は、やらなければいけない仕事がたくさん抱えるようになります。その出来栄えにはある程度目をつぶり、部下に仕事を依頼していくことで自分の業務に余裕が出るのと同時に、部下の育成にも繋がります。また業務を依頼する時は、必ず目的を与え出来栄えに対してレビューをしていくことが重要になります。

いかがでしたでしょうか?今回は行動意欲の2つの法則、パーキンソンの法則行動意欲の公式を紹介させて頂きました。また後半のパートでは私自身が先延ばしにしないための習慣をいくつか説明させて頂きました。参考になったでしょうか?先延ばしは完全に解消しない、人間が持つ特性かもしれませんが、限られた時間を上手に活用し、常に行動意欲の高い状態を保っていけるようにしたいものです。では、今回はここまでです。また次回、ごきげんよう!

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