ダイレクトレスポンスマーケティング【第36回】

DRMマーケティング

お客様の総数が比較的限られているBtoB系製造メーカーではDRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)をマーケティングに活用することは稀でした。もちろん、定期的に販促冊子を送付したり、展示会前に案内状をDMで送付したりしていましたが、告知や情報提供が目的で、マーケティングに活用した事例は極めて少なかったです。ここ数年、ますます、対象とするお客様の数は減ってきていますが、BtoB系製造メーカーでもDRMを活用したマーケティングが活発になってきています。今回は、このDRMについて解説をしたいと思います。

DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)

DRMとはどんなマーケティング

一般的にBtoBビジネスにおいて、製品を販売する時は、その会社の営業マンがお客様を訪問し、販売をします。つまり売り手が主導なので買いたいお客様に出会える時もあれば、全く買う気のないお客様に出会う時もあります。
製品がたくさん売れていたころは、ほとんどのお客様が『買いたい』というスタンスで待っているので、この方法でも問題はありませんでした。また、お客様の課題も、『忙しい状況を何とかしたい』ということで機械のスピードや効率などの課題を解決する商品であれば、それほど深い課題を見つけなくても製品の販売は拡大しました。
ところが、成熟市場になるとモノが余り、製品に差が無くなってきます。『買いたくない』お客様に製品を売らなければならなくなると、そこにはソリューションビジネスが必要です。

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お客様の課題を発見し、お客様が起点の提案をすることでリレーションを構築し、『買いたくない』お客様を『買いたい』に変えながら、、永続的に製品を販売していかなければなりません。
DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)は、企業側がある課題解決のための情報発信をして、その発信に対して、問合せをしてきたお客様に対してダイレクトに商品販売をするマーケティングです。まさにお客様が顧客課題を抱えてやってくるわけなので、典型的なソリューションビジネスです。
問合せにきたお客様は少なからず、情報発信された製品やサービスに興味を持った人であり、『買いたい』お客様を自動的に集めることができるので極めて効率が良いマーケティング手法です。

DRMの歴史と概要

看板や新聞広告、今でも根強い人気のある通販番組やTVCF、DMなど、DRMはかなり古くからおこなわれているマーケティング手法で、国土が広く対面マーケティングが難しいアメリカが発祥と言われています。最近ではやはりメールマガジンやSNS系広告など、デジタルを活用した集客が増えており、個人事業主BtoC系の企業では安価に迅速に大量に集客ができるため、非常に効果的なマーケティング手法となっています。

では、ここからはBtoB系製造メーカーを意識しながらDRMについて見ていきましょう。
DRMには3つのプロセスがあります。

DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)の3つのプロセス

DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)の3つのプロセス

集客

集客はある課題に対して情報を発信するフェイズで、目的はその課題に対して興味があるお客様を見つけることです。広告やチラシなどの有料広告を使って情報を発信する方法もありますし、SNS、つまりTwitterやFacebookなどを活用して無料で情報を拡散する方法もあります。
もちろん集客はオンラインだけではありません。極端なことを言えば、ある課題に対する情報を持ってアポイントを取り、直接対面で情報を発信するのも集客です。とはいえ、このやり方は効率が悪いですよね。対面ではせいぜい1日5件~10件に情報を発信するのが限界です。オンラインを使うことによって短時間で大量の情報を発信できるので、今日(こんにち)集客と言えばオンラインを活用した集客方法と考えてもいいでしょう。

BtoB系製造メーカー集客先はある程度絞られています。集客とは『今後自社の製品を購入してくれるお客様【見込み客】』を探すことです。自社商品の認知度が既に高く、ほとんどのお客様は接触済みである場合は無理にDRMを展開する必要はありません。
BtoB系製造メーカーDRMを実行する時は下記のような時が有効です。

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1)新しいカテゴリーの製品を販売する時
2)新しい市場に進出する時
3)低額製品を取り扱う時

集客見込み客を見つける活動ですから、今までとは違う製品を扱う時に極めて有効な手段になります。情報発信から集めた見込み客は、製品軸市場軸に合わせてリスト化し、それが今後の製品販売の分母になっていきます。

教育

教育集客で集めた見込み客とのリレーションを築き、購買意欲を育てていく工程です。従来の営業であれば日々の営業活動ということになりますが、DRMにおける教育は、ひたすら無償の提供です。メールマガジンでお客様の課題解決や興味を増進する情報を提供し続けることで、お客様との信頼関係を高め、同時に購買意欲を高めていきます。
対面と違いDRMでの活動は表情の見えないコミュニケーションです。見えないコミュニケーションの中ではどれだけ短時間にお客様の不信感を振り払うことができるか?がポイントになります。
そのためには対面販売とは全く違うアプローチが必要です。

1)ライティング
2)無料相談(質問返答)
3)無料セミナー
4)有益コンテンツ(ホワイトペーパー、無料雑誌、動画など)
5)無料サンプル、体験

DRM教育のプロセスでアプローチになるのがメールマガジンですが、このメールマガジンライティング(見出し記事)で結果が大いに左右されます。メールマガジン広告で、興味を惹いて(クリックして)、メインのコンテンツに導いてこれなければ教育のプロセスは失敗です。まずはメールマガジン広告簡潔なライティング力を高めることが必要です。
またコンテンツまで導いたお客様の信頼度と購買意欲をそれだけ高めていくためには、徹底的な献身の姿勢が必要です。無償の提供ですね。
お客様の課題を解決するための無料相談、無償の書籍やホワイトペーパーの提供、無料のセミナーの案内など、お得情報を提供することでお客様の不信感を取り除き、お客様の方から製品に対してアプローチしてくる関係を構築することが教育プロセスのポイントです。
最近は、この教育のためのコンテンツの主流はYoutubeなどの動画コンテンツです。BtoB系製造メーカーでもだいぶ活用されるようになってきたと思います。
『メラビアンの法則』の通り、動画コンテンツは文字音声映像の全ての情報を発信することが可能であり、最もコミュニケーションが伝わるコンテンツです。

販売

さて、いよいよ販売です。教育で購買意欲が高まっているお客様に対して製品の販売をするプロセスです。BtoB系製造メーカーの場合は、ここから対面販売(営業マン)に切り替えても良いのかと思いますが、コンバージョン(受注)するまでDRMで行くのであれば、ここからは最後の一押しをすることになります。

1)特典(おまけや下取り)
2)特別価格
3)保証

DRMの販売はこれで終わりではありません。むしろここからが重要です。強いリレーションで結ばれたお客様から永続的に販売を続けていかなければなりません。これはソリューションビジネスの基本であり、DRMだからというわけではありませんが、特にDRMでは、この継続的な販売を確保できるように既存のお客様との接触を常に怠らないことが大事なこととなります。

BtoC系ビジネスでは教育の段階で安価の製品(赤字)を販売し、販売の段階で大きく収益を稼いでいくといったビジネススタイルですが、BtoB系製造メーカーではリストの件数も少なく、フロントエンドで収益がないとバックエンドで取り返せない可能性も大いにありますので注意が必要です。

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さて、今回はDRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)の基礎部分について説明させて頂きました。まだまだ私も勉強段階なので今後、もう少しわかりやすく体系できたら、再度、別投稿で説明させて頂きます。現在は購買の6割は対面前に決まってしまうと言われています。また、コモディ商品については、ほとんどクリック1回で翌日には届く時代です。BtoB系製造メーカーDRMをうまく活用して、営業マンがクロージングに注力できるような状態を作り上げていけるようにしたいものです。ではまた次回、ごきげんよう!

良かったら『営業マン不要論【第28回】』も読んでみて下さいね。

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