メラビアンの法則【第43回】

営業論

『眼は口ほどにものを言う』と良く言います。特に視線は反射的に動いてしまう器官なので、その時の心理状態を瞬時に表現してしまいます。たまたま週末にTVでこの言葉を耳にした時に、『メラビアンの法則』を思い出しました。この法則、私は業務上のいろいろなコミュニケーションの場で意識しながら進めることも多かったのですが、実は一部腑に落ちないことも多い法則でした。
その問題は昨年、あるサイトにより解決したのですが、現在、世の中で使われている『メラビアンの法則』にはコミュニケーションを理解する上で重要なことが学べると思います。
今回は『メラビアンの法則』をベースに営業のコミュニケーションについて、また『メラビアンの法則』の真相などについてもお話したいと思います。

メラビアンの法則って

何か腑に落ちない。。。

メラビアンの法則は、アメリカの心理学者アルバート・メラビアン氏(なんとまだご存命!)が、人がコミュニケーションをとる際に、『どんな情報に基づいて、その人の印象を決定しているか』を研究し、それを言語聴覚視覚の3つの要素に分けて具体的な数字にした法則です。
例にすると、営業マンが訪問してきた時にお客様が何の情報を重要視して、その営業マンを判断するか、ということに置換えられます。まず、その法則はどんなものなのかは下記の通りです。

メラビアンの法則】・・・人間は相手を判断する時に下記要素の比率に従って判断する
□視覚情報(Visual)は 55%
□聴覚情報(Vocal)は 38%
□言語情報(Verbal)は7%

つまり、人間は言語情報(Verval)よりも非言語情報(Non-Verval)重要視して対人を判断する、という結論を導き出しています。
これが元になって営業マン研修などで、この『メラビアンの法則』の概念が使われ、『営業マンは言葉よりもまず見た目(身だしなみ)』といった研修が行われます。

私はこの法則に、かなり納得しつつも、どこか一部腑に落ちないというか、理解できないという部分があり、あるサイトから『本当のメラビアン氏の研究内容』を知るまで?モヤモヤしていました。
そもそも言語情報では7%しか判断しないという比率を一体どのように算出したのかというもの良くわからなかったですし、人が喋っているのは言葉と音声が同時に放たれているので、どこまでが言語情報で、どこからが聴覚情報のことを言うのか、についていつももやっとしていました。

その一方、『e-Mailではなかなか伝わないな』やっぱり直接訪問しよう、などという場面の時、やっぱり言語情報より、聴覚・視覚情報だよなぁ、と納得したりする場面も多いのです。このブログなどもそうですよね。今書いてる部分も、直接話をしながら教えることができれば、書いてある文字情報の倍以上わかりやすく、しかも迅速に伝えることができるはずです。(ブロガーってユーチューバーより大変。。。)

メラビアンの法則の真実

そんな時に平野喜久氏の『天使と悪魔のビジネス用語辞典』というサイトで『メラビアンの法則』についての記載に触れることがあり、これでいろいろなものが腑に落ちました。
内容については結構、長くなるのでリンク先のみご紹介しますが、もし、メラビアンの法則を語っていくのであれば是非、読んでおいた方が良いと思います。
一応、辞典形式なので『メラビアンの法則』について定義しているのですが、大変面白いので、その部分だけ抜粋してご紹介しておきます。是非、サイトも訪れてみて下さい。

メラビアンの法則【悪魔の辞典(天使の辞典には一般論が書いてあります)】

1)安っぽいセミナー講師が仰々しく披露する「こけおどしネタ」
2)「見かけよりも中身が大事」という意見を、真っ向から否定したいときに使われる法則
3)「なんと、言葉そのものは7%しか伝わらないんですよっ!」
  「すると君は、ロシア語の映画を字幕なしで観て、93%も内容を理解できるという訳かね」

【メラビアンの法則】天使と悪魔のビジネス用語辞典

俗説『メラビアンの法則』のビジネス流用

上記のリンク読んで頂けましたか?
私も、マーケティングチームに『文字情報なんて7%しか伝わらないんだから。。。』なんてセリフをずいぶん使ってきたのですが。。。

とはいえ、非言語(聴覚・視覚)情報が、言語情報よりも圧倒的にビジネスに有効であるということは疑う余地がありません。ここからは、俗説『メラビアンの法則』になりますがビジネスシーンにおいて特に営業マン非言語情報を重要にした方が良い事例について説明させて頂きます。

メラビアンの法則とビジネスコミュニケーション

上記の表は、メラビアンの法則で判断材料となっている言語聴覚視覚情報ごとに考えられるコミュニケーション手段をFace to Face(直接営業)とWEBマーケティングに分けて一覧にしてみました。

Face to Faceコミュニケーションにとっては3つの情報の全てが重要ですが、非言語情報は対人の基本です。

1)表情
笑顔に勝るものはありません。対人の仕事をしている人はこれは絶対です。コミュニケーションを始める瞬間に笑顔のクセをつけると、不意に出くわした時でもしっかりと対応できるので、普段から笑顔の習慣をつけることが必要です。また、もう一つ大事なのは目線です。話をする相手にしっかりと目線を向けることも習慣化するように心掛けて下さい。
良く、じっと見つめていると逆効果でないか、などと言う人もいます。またどうしても目線を合わせることが苦手な人もいます。しかし立場を置き換えると、目線が合わずに会話をすると、信用度や真剣度がかなり落ち込みます。そのような人は、時々、目線を外したり、ビジネスシーンではネクタイの結び目を見る、というもの作戦の一つです。ネクタイの結び目であれば対話している人から見ると概ね目線があっている感じになります。
実は、これを私も結構多用しています。ビジネスシーンでは良い場面ばかりではありません。例えばお客様から、やや過剰な要求をされた時やミスをして叱られている時などに目線を合わせていると、『睨んでいるのか』といった印象を与えてしまうことも多いのです。私は大学まで体育会系でしたので叱られている時に目線を外すと相当怒られたので、じっとみてしまうクセがあります。そんな時、ネクタイの結び目まで視線を落とすと、かなり印象が和らぎます。上司に無茶振りされた時などに是非、使ってみて下さい(笑)。

2)身だしなみ
身だしなみについてはキリがないのですが、不潔な印象を与えない程度の髪型、服装は最低条件です。毎朝、出勤時には玄関の姿見(大きめの鏡)で確認するぐらいのことはしたいものです。
身だしなみの中でもビジネスシーンで特に気を遣いたいのはです。人と会話をしている時、それこそ目線を外した時に、相手の手元や足元が結構気になるものです。資料を指さして説明したりするときに爪が伸びていたり汚れていたりすると、そっちの方が気になったりしますね。靴も応接で座って面談しているときなど、結構見えています。この2つは毎日チェックできるようにするのと同時に、いつでも対処できるように、営業マンであればカバンの中に爪切り、靴磨きは常備しておきたいですね。

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3)ジェスチャー
私はボキャブラリーが少ないせいか、ややオーバージェスチャー気味なのですが、会話をしている時の適度なジェスチャーは、情報の伝達に大きな効果があります。これはメラビアンの法則風に言えば、音声情報(会話)ジェスチャー(視覚情報)を加えることで、より情報伝達性を上げることに繋がります。また、ジェスチャーは話者本人のリラックス効果もあると思います。上手なプレゼンテーターはジェスチャーを多用しますが、これは聴衆を惹きつける効果と同時に、自分を自然体に保つためのリラックス効果も生み出していると思います。(これは私の実体験なので正式な理論ではありません)
私はセミナーなどの際に、緊張感を解き、自分のペースにするためにジェスチャーを意図的に使っています。

4)トーク
最後にトーク方法ですが、これは長年身につけてきたものなので一朝一夕に変えることは難しいですし、慣れないトーク方法を続けていくことも大変な負担になります。一つアドバイスがあるとすれば、聞き上手(ヒアリング力)になることです。なるべく用意したトークを使わないで、相手の意見を引き出すことに留意すると、相手に安心感を与えますし、会話に詰まらなくなります。(会話に詰まったら用意したトークを少しずつ出していけばいいですから)
セミナーやプレゼンテーションなどでも上手な人は言葉数は少ないですよね。間を大事にして、強くて短い言葉で聴衆を魅了していきます。是非、トークは自分のスタイルでも構いませんので聞き上手(ヒアリング力)を意識して進めるようにしたいですね。
最後に注意点として『口癖』です。『えー』、『まぁ』、『ちょっと』、『いずれにしましても』、『なにが言いたいかというと』など、1回程度使うのであれば問題ないですし、非常に効果的なこともありますが、何べんも繰り返し使うと、聞き手は気になり出したり、どこが論点なのかがわからなくなります。一度、録音してもらうと『こんなに繰り返していたのか!』と愕然とする時がありますよ。

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さて、今回はいかがでしたでしょうか?私自身も、場面場面で意識して使っている法則ですが、実際の研究は結構違うところにあったというのも経験として面白かったので記事にさせて頂きました。お客様に接する部門の人(主に営業マン)にとって見た目は非常に重要です。背中からYシャツが飛び出し、汚い靴を履いているような営業マンから製品を買おうという気にはならないですよね。まずは見た目からは、重要なワードであることに変わりありません。では、今回は、ここまで。ごきげんよう!

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