リモート時代の会議【第93回】

会議室ビジネス一般

さて、この春から再び本社に戻り、企画部門に舞い戻ってきました。すると毎日毎日、会議の連続。特にリモート勤務の社員も多く、そもそも何か問い合わせをするにも会議を開かなければいけない状況です。働き方改革には非常に良い取り組みなのでしょうが、どうも私の世代には、なかなかなじめないところです。
この会議については過去の投稿でも記事にしたことがあるのですが、今回、リモート時代の会議の行い方について再度、まとめてみたいと思います。
過去の投稿、『効率的な会議の進め方【第60回】』でも会議の種類などに触れていますので、こちらの投稿の再録版になります。

効果的な会議の進め方【第60回】
会議、本当に多いですよね。最近はTeamsやZoomを利用したリモート会議も増えているので、1日に会議が8つもある、なんていう日も少なくなりありません。今回は、この会議を効率的に行うためにはどうすれば良いのかについて、投稿したいと思います...

会議の種類

リモート会議のメリット

リモート会議のメリットはみなさんも感じている通りたくさんあります。経営的にはいろいろなコスト削減に繋がっていますが、実際に会議を実施する時も効率が各段に上がっています。

(1)場所が不要
会議室が取れなかったり、会議が盛り上がっているところで次の会議メンバーが来てしまい、尻切れで終わってしまうなんて経験ありますね。リモート会議だと、『会議室がとれないから会議を明日にリスケしよう』なんて、本末転倒のことが起きなくなります。状況によっては移動中の交通機関の中や、営業車の横でも参加することが可能です。また大きな会議室が要らなくなり、オフィスもスッキリ活用できます。

(2)資料共有(ハードコピー不要)
会議メンバーが10人いると、直前に人数分コピーを取って配布し、挙句の果てに会議の開始時に資料の差替えをするなどといったシーンありますね。しかも、せっかく配った資料は会議が終わると、すぐゴミ箱に捨てられていることもあり実にムダです。リモート会議だと資料は画面上で共有され、欲しい人だけファイルをダウンロードしたり、閲覧することができます。

(3)移動時間の効率
5分前集合時間厳守など会議のマナーをしっかり守ると、結構前後に時間がとられます。会議の直前になると部下からの相談ごとを受けたり、お客様へ1本、電話など、なかなかできないですね。また全国から集まる販売会議などであれば、前日から飛行機で移動し、前泊して参加する地方の支店長なども多かったと思います。リモート会議であればこういった問題は全く無くなります。実はこの効果が一番大きいのではないでしょうか?
営業企画系のメンバーも、今までだと九州のお客様でプレゼンテーションがあると、もうそれでおしまい。お客様のアポイント次第では前日から2日間拘束されてしましますが、リモート会議を使ったお客さまとの会議であれば午前中、九州のお客様、午後は北海道のお客様にプレゼンテーションを行うことも可能となります。

(4)ダイバーシティへの対応
子育て世代で時差出勤や時短勤務をしている女性などが、会議にフレキシブルに参加できないというだけの理由で管理職になれなかったり、望んでいる職種につけないことなども以前は良くありました。リモート会議を活用することで、これらの障害をある程度回避することができ、女性や外国人の社員に対してシームレスな労働環境を準備することができます。まさに働き方改革です。

会議の種類

会議の種類については、上述の『効率的な会議の進め方【第60回】』で詳しく紹介していますので、その時に使用した表だけ貼っておきます。

会議の種類

今回は、この中でも最も定期的に行われる『課題解決会議』の実施について、どこに注意をすると効率よく行えるのか、という点に焦点を当てて説明をしたいと思います。
その前に経営企画室でちょっと話題になったピーター・ブレグマン氏(Peter Bregman)のハーバードビジネスレビューの一節をご紹介しておきます。

それは経営会議で扱うべきものか?経営幹部を最大限活かす法

(~前略)
経営幹部を一同に集めることは、莫大な資源の投資を意味する。ホテルや食事の費用など些細なものだ。コンサルタントを雇う費用でさえ、高給取りで多忙な経営幹部7~8人を拘束するというコストに比べれば、取るに足らない。

 ところがこういった会議では往々にして、次から次にプレゼンが行われ、それらを参加者は漫然と聞き流すか、テーブルの下でeメールに返信している。幹部が取り上げるべき真に重要な課題が話し合われることは、どれほどあるだろうか。

 これほど優れた頭脳がそろっているからには、幹部会議の焦点は情報のアップデートであってはならない。対話、議論、場合によっては対立が行われるべきで、ただ座って資料を読んでいるなどもってのほかだ。組織にとって最も重要で解決が困難な問題と真摯に向き合い、奮闘するのがリーダーの務めだ。

 そのためにはどうすればよいか。本心を見せ、自己防衛をせず、互いに勇気を持って接する――幹部がそうなるような環境をつくり出すことだ。つまり、自分の弱みをさらけ出し、部門間の壁を打ち破り、ともに難題に取り組み、考え、意思決定ができる場である。
(~後略)

上記は経営幹部クラスの会議に対する提言ですが、一般の会議でも思い当たる節があるのではないでしょうか?経営幹部ではなくても、従業員一人の1時間のコストは非常に大きなものです。会議に10名参加をしているのであれば、その10倍のコストがかかっているわけで、こう聞くと絶対にムダにはできなくなります。
しかし、海外でも会議はなかなか機能していないんですね。上記について興味を持った方は、ピーターブレグマン氏の書籍をご紹介しておきますので、一度読んでみて下さい。基本、ハーバードビジネスレビューのまとめ本なので、読みやすいと思います。
『最高の人生と仕事をつかむ18分の法則( ピーター・ブレグマン/ 小川 敏子訳)』

リモート時代の効率的な会議のポイント

効率的な会議の進行

さて、リモート時代効率的な会議を進めるためのポイントについてです。

1)前準備の徹底
課題解決の会議は、文字通り、課題を解決するわけですから定期的に行われるということはあり得ないのです。1回~2回でなるべく迅速に結論が出せるようにしなければなりません。そのためには、事前に会議の目的(GOAL)議題(アジェンダ)発表者時間が明示されることが重要です。
もちろん発表者の資料も事前に配布されていなければなりませんし、配布された方も会議が始まる前に一度目を通して、不明な点や質問事項をあらかじめ整理しておくことが必要です。

が多いです。特に定期的に実施している会議などは、会議を始めたころのメンバーがほとんど変わってしまっていて、司会者も参加者も、ただ惰性で続けているような会議も時々見かけます。
短期のものでも、定例的なものでも『その会議の目的(GOAL)』を参加者で共有して進めることは大前提です。目的と目標については下記の投稿『実効性のある目標設定【第54回】』でも詳しく書いていますので余裕があったら、こちらも見てみて下さい。

2)時間の明示
ダラダラと進む会議ほど効果のないものはありません。司会者と発表者以外は内職をはじめてしまったりする会議は早急に参加メンバーとやり方を見直しをしなければなりません。
効率的に会議をする方法は、徹底的に時間にこだわっていくことです。

①5分前集合、発表資料の事前確認
②アジェンダに発表時間割を記載(事前に発表者に確認)
③タイムキーパー役を設置(5分前告知、5分超えは打切り)
④終了時間の厳守

以上の4項目を徹底的に厳しくやることです。発表する側は当然ですが、参加する側も事前の資料の読み込み質問事項などの準備をして、会議開始とともに課題に対する討議を始めることができるようにしなければなりません。
緊張感のない会議は、ほとんどが効果を感じない会議です。(まぁ、内職さえしていなければ情報共有ぐらいにはなっているとは思いますが。。。)資料の配布で代用できないのか、人数は絞れないのか、などいった改善を即進めて下さい。

3)結論の確認(アクションプランの明確化)
最後は、その会議の結論とアクションプランをしっかりと明確にすることです。
会議がダラダラと延びて、上長が『あっ、僕次の会議あるから、またどっかで時間取ってやろう』と離席してしまうなんてことはないですか?
結局、翌月まで結論を出さないまま、次の会議のアジェンダに入っているというループは防がなければなりません。
会議の最後5分は、会議で決定した結論(アクションプラン)についての確認することが重要です。

①What(何を)・・・決定した結論(対策)
②Who(誰が)・・・それを実行するのは誰なのか?
③When(いつ)・・・それはいつまでに実施するのか?

この決定した結論(アクションプラン)を明確にして終えなければなりません。

会議進行の注意点

ここまでで、効率的な会議の進め方について概ね説明してきましたが、最後に進行の注意点について簡単にお話しておきたいと思います。

1)参加者・・・人数、メンバー
会議の参加者は多くても5~6人が効果的です。会議の中で一回も発言しない人は、少なくても課題解決会議では必要がない人です。良く『メンバー全員で共有しておいた方が良いから』ということで、課のメンバー全員に参加を促すマネージャーがいますが、今は分業じゃなく、1つのJOBを一人が責任を持って成果を出す時代です。参加者は必要最低限にするべきです。
リモートになるとカメラをOFFで参加する人も多いのですが、これは大変失礼です。少なくても会議の始まりと終わり、また発言時はカメラをONにして下さい。
対面会議でも、リモート会議でも人と人のコミュニケーションの中で討議をしています。そのためには表情や声色は判断するのに非常に重要なファクターです。実際、カメラを映していてもマスクをしているような時代ですから。

2)前準備・・・アジェンダや発表資料の事前送付
前述した通り、会議は討議に時間が使われなければなりません。会議の進行を記載したアジェンダや、報告目的の発表資料などは事前に送付し、参加者に目を通しておいてもらうことが必要です。また、アジェンダには必ず時間割を記載することも忘れないようにして下さい。

3)資料の簡略化
会議の資料はWordで1枚から2枚です。よくパワーポイントを使う方も多いですが、プレゼンテーションではないので、参加者がサッと目を通しただけで内容が確認できるWordがベストです。パワーポイントを使うとページ数が多くなり、また内容も箇条書きが多くなるので、読んでいる人に正しく伝わらないことが多いです。
Googleでは『説明資料はA4で1枚、箇条書きはNG』との話を聞いたことがあります。私も意識的に実践していますが、ついつい箇条書きしてしまいます。箇条書きは書いている本人の頭の中はしっかりと体系化されているのですが、聞いている側には全てが伝わらないものです。ましてや、会議に参加していないトップマネジメントが読んだときに、思いが伝わらない可能性が高くなります。
また、細かい話ですがリモート会議で使う資料は極力PDF化しておくことをお勧めします。会議中に画面が固まったりすると、せっかくの良い説明が台無しになってしまいます。(特にExcelではSheetを移動したりすると、かなりの確率で固まります)

4)参加者の尊重
会議は討議の場です。お互いの意見を尊重することが重要です。尊重とは『相手の言葉を遮らない』『批判をする時は代替案を出す』『会議室を出てから意見(不満)を言わない』の3点です。それぞれが、この3つだけを守るだけで会議は非常に前向きなものに変わります。
リモート会議だと、人が話をしている時に割り込んでくる人は減る傾向ですが、逆に意見を押し殺してしまう人も多いです。司会(ファシリテーター)は全体の意見が聞けるように進行を調整することも必要です。

5)議事録の作成
会議に議事録は不可欠です。前述した通り、『何を』『誰が』『いつまでに』を記載し、会議の最後に、参加者で共有して、初めて会議が終了します。また次回の会議日についてはその場で決めましょう課題解決会議の場合は、間を空けても1週間後です。月次というのは、このスピード社会の中ではとても悠長に感じます。
リモート会議では会議資料の共有やスケジュールの調整は極めて簡単に行えます。

どんな時代になっても企業において会議は絶対に必要です。それだけに効果のある会議をしなければ貴重な経営資源を失うことになってしまいます。
目的をしっかりと明示し、出席している全員が参加して討議し、メンバー全員で納得した結論を出す会議を心がけていると、自然と参加したメンバーが自部門で同じような会議を始め、気がつくと組織全体が常に緊張感を持った効果的な会議ができるようになってきます。まずは、自分から心掛けて、会社の会議を変えていって下さい。
では今回はここまでです。ごきげんよう!

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