成熟市場での製造メーカー【第4回】

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デジタル営業戦略

こんにちは、これまでの3回でソリューションビジネスの基本はだいぶ掴めてきたでしょうか?今日はBtoB系製造業が、厳しい事業環境の中で、どのように変わっていくべきなのかについて、いつもの通り過去に作ったパワポの資料をベースに、わかりやすく説明していきたいと思います。
ついつい記事が長くなる傾向が強いので、今回も何回かにわけて解説していく予定です。また、何かご質問などがありましたらコメント欄でも、お問合せフォームでも結構ですので、ご連絡ください。全て明確には返答できるかわかりませんが、返事は必ず書きますよ。

成熟市場でのBtoB企業の戦略

成長市場での営業戦略

購入意欲のあるお客様がたくさんいる状態、つまり成長しているマーケットでの販売は、顧客価値を無理に探さなくても、概ねお客様の価値は均一化しています。
このような市場では以前も話した通り、売り手商品価値をコントロールできる状態なので、とにかく製品の品質や性能を高めたり、機能を追加したりすることで顧客価値を満たすことができました。販売部門も、価格の交渉とクロージング、納期の調整をするだけである程度の成績を上げることができたはずだと思います。
営業戦略も『1件でも多く、お客様を回ってこい』ということで、訪問管理(訪問件数とかキーマン面談率)を徹底させたり、また顧客数を増やすためにアウトユーザー攻略などという戦略を立てる会社も多いのではないかと思います。
これは私が営業時代にもシャカリキになってやった営業手法です。当時は『1件でも多く訪問する』、『17時からあと2件』など自分にルールを課して訪問したものです。
前回の投稿『私の母の価値観【第3回】』で登場した八百屋さんもチラシをまいたりして来客数を増やしてさえいけば野菜だけでも十分商売が続けられた時代です。

ソリューションビジネスの基本については、過去の記事からどうぞ。『ソリューションビジネスは価値の取引【第2回】』『私の母の価値観【第3回】』

ソリューションビジネスは価値の取引【第2回】
さて、前回は自己紹介がてら私の職歴とBtoB系製造業のソリューションビジネスの理解について書かせてもらいました。ソリューションビジネスについて、少しは興味を持って頂けましたでしょうか?さて、今回から2回ぐらいで、まずはソリューションビジネ...
私の母の価値感【第3回】
さて、前回はソリューションビジネスの本質部分である『商品(モノ)』を売るのか、『価値(コト)』を売るのかの違いを説明しましたね。ソリューションビジネスは価値の取引です。まだもやもやっとしている方もいらっしゃいますね?今回は『モノ』、『コト...
成長市場での販売戦略(接触数の拡大)

成熟市場での営業戦略

しかし、今や先進国は超成熟市場になっており、モノが余り、マーケットは縮小し普通のやり方では、到底販売に繋がらない状況となっています。お客様の数を増やそうにも、既にほとんどお客様との接触が完了し、加えて従来の顧客も減っていく訳ですから、競合先が減らない限り小さくなっていくパイの切り分け争いで最後は体力のある会社だけが疲弊しながらも残っていく形になってしまいます。

こんな時、BtoB系製造業では『これからは提案型営業だ!』とか『マーケットインの発想が重要』などとイメージだけの戦略が検討されるのですが、結局いつもの通り、会議とパワポの枚数が増えるだけで、今まで通りの売り手が起点(プロダクトアウト)の営業を続けてしまうのです。
会議を何回やろうとも、パワポを何枚つくろうとも、買い手が起点(顧客価値)の販売に転換できなければ、ソリューションビジネスは成立しないわけです。

成熟市場での販売戦略(Solution営業)

とはいうものの、ソリューションビジネス推進部に着任した当初の私は、このソリューションビジネスというものを自分が理解する前に営業部門へ伝え、展開していかなければならなかったので、『とにかくお客様の悩み事を見つけるのだ!提案こそソリューションビジネスの本質だ!』と押し売りソリューションビジネス!?を展開した覚えがあります。。。
今考えると何もわかっていない状況で、本当に反省です。私のブログをご覧の皆さまには、もう少し早く、買い手が起点のソリューションビジネスを展開してもらえたらと考えています。
さて、上記の図を見て下さい。ちょうど上にある成長市場の図と照らしあわせてもらえるとわかりやすいです。
成熟市場では、お客様の数は年々、大幅に減ってしまいます。そのようなマーケットで、BtoB系製造メーカーがやるべきことが主に3点あると考えます。

1)お客様(ユーザー)の選別
少なくなったお客様の中から将来、永続的におつきあいできるお客様を選び出す
2)商品数の拡大

今取り扱っている商品だけではなく、さまざまな商品を取り扱うことで顧客接点を増やす
3)ビジネスの仕組みを変える(新しいビジネスモデル)

お客様の課題を洞察して、最適なサービスを作り提供する

この3点を、ここから説明に入ってしまうと、とてつもなく長くなりそうなので、今回は項目だけを並べるにとどめておきます。次回からこの3項目について、それぞれどうやって実行していくのかなどについて詳しく解説していきますが、『成熟市場だから売れなくて当たり前』ということは、ほぼあり得ません。
成熟市場では顧客の課題、顧客の要求が多様化しただけなのです。つまり、今までのルールで戦っていたら売れませんが、顧客課題に合わせたルールに変えること(ゲームチェンジ)ができれば、競合企業に対し、一気に優位に立てる可能性もあるわけです。
まさにピンチは大きなチャンスです。マーケットシェアの低い企業こそ、この成熟市場でしっかりとしたソリューションビジネスを展開することで競争優位に立てるようにしましょう。

営業戦略で面白い本をご紹介しておきます。

また、今後ソリューションビジネスばかりだと、ちょっと飽きてくるので途中、他の分野のことも挟みながら進めていきます。厳しい経営環境下において、販売量を拡大するのはソリューションビジネスを下地にしたマーケティングを展開することです。
今後も是非ご期待ください。では、ごきげんよう!

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