私の母の価値感【第3回】

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おばあちゃんソリューションビジネス

さて、前回はソリューションビジネスの本質部分である『商品(モノ)』を売るのか、『価値(コト)』を売るのかの違いを説明しましたね。ソリューションビジネス価値の取引です。まだもやもやっとしている方もいらっしゃいますね?
今回は『モノ』『コト』と並んでソリューションの本質部分である『顧客起点』というものを具体的な事例から、それも私の母親から感じた事例で解説していきたいと思います。この資料は新入社員の教育でも未だに使用しています。これで、従来の商品販売顧客価値提供の違いがわかるんじゃないかと思います。

前回のブログ記事を読んでない方は是非、『ソリューションビジネスは価値第の取引【第2回】』の記事から読んでみて下さい。『価値の取引』について解説しています。

ソリューションビジネスは価値の取引【第2回】
さて、前回は自己紹介がてら私の職歴とBtoB系製造業のソリューションビジネスの理解について書かせてもらいました。ソリューションビジネスについて、少しは興味を持って頂けましたでしょうか?さて、今回から2回ぐらいで、まずはソリューションビジネ...

価値(コト)はお客様によって違う

セブンイレブンのソリューション

前回の記事で、ある商品を売買する時、その取引の起点が、売り手側にあるのか、買い手側(お客様)にあるのかが、従来の営業とソリューション営業(ビジネス)の差だと説明しました。
最終的に、この話はマーケティング理論にも深く関わってくるのですが、今日はソリューションビジネスの理解が目的なので、マーケティング関連については、また時間をとって説明致します。

この取引の起点売り手側にある時のビジネスと買い手側にある時のビジネスでは結果がどのように変わってしまうのかを具体的な事例で説明します。リード文にも書きましたが、これは実体験で、しかも私の母親の事例です。

すでに10年近く前の話になるのですが、子供も小さかったので土日はだいたい実家にいって食事をしていました。当時、私の母は近所にできたセブンイレブンのヘビーユーザーで、NANAKOに何万円もチャージをし、セブンイレブンでほとんど買いものを済ましていました。
夕食が、お手製ではなくセブンイレブンのカット野菜にレトルトのハンバーグなのに、ちょっと悲しい気持ちになったのを思い出します。(でも結構おいしい)
この時期、実家の近くには、まだ八百屋や精肉店残っており、むしろセブンイレブンより近くにあったですが、私の母親はあえて遠いセブンイレブンに通ったのです。

しかし、これって顧客価値(コト)を表すには最高の事例なんですね。
例えばサラダに使う野菜を例にします。売り手側が起点(製品・モノ)で考えると、『安くてお得、更に新鮮!』という製品の価値を『だから買って』と販売するということになります。
この八百屋に、私の家のように家族が多い家庭ならば、『結構、お得だねぇ、もう少し安くなる?』みたいな取引になるかもしれません。でも、もしこの八百屋に僕の母親がきたらどうなるでしょうか?

うちのおふくろのサラダの価値は?

私の母親の価値は?

『安くてお得、更に新鮮!』『だから買って』と売り込んでも、おそらく私の母親は買わないでしょう。理由はもうわかりますよね。
『安くてお得、更に新鮮!』は一般的な価値観で、極端なことを言えば八百屋側の考えです。買い手側が起点(価値・コト)で考えると、僕の母親の顧客価値『手間のかからないものを少しだけ欲しい』になるので、売り手側が起点では永遠に私の母親には売れなくなってしまうでしょう。
買う人がたくさんいて、たくさん販売している時には、このようなことは、それほど気にしなくても良く、良いものを適正価格で作れば売れるというプロダクトアウト的な発想で十分成り立ちました。
しかし現在、物は余り、マーケットが縮小している中、顧客の価値(コト)に合わせた販売戦略が必要になります。まさにこの買い手側が起点のビジネスがソリューションビジネスという訳です。

さて、顧客価値(コト)が捉えられてない八百屋さん(従来の営業)は『安くて、新鮮』顧客価値だと思っているので、どうやったら私の母親に買ってもらえるか悩むわけです。そして、恐らく野菜を買ってもらいたいがために禁断の値引きをしてしまう訳です。
顧客課題がしっかりと掴めていないと、商売そのものも収益の低いものになってしまう典型的な事例です。みなさんもこんな営業してませんか?(ドキっ!)

その点、コンビニは顧客課題をしっかり掴んでいます。コンビニに来店する顧客のニーズを分析し、1人暮らしの食材の宝庫!です。簡単手間いらずで少量、特に高年齢層は、ある程度お金を持っているので八百屋さんの感覚では想像できない価格のカット野菜を売っていますね。
私の母親に至っては、更に100円払ってコンビニから宅配させているようだったし。。。。これでは八百屋さんは勝てないですね。

以前、出張の時にブックオフで買った本『戦略思考トレーニング 2013年 鈴木貴博著』ですが、頭を柔らかくするには非常に暇がつぶせる本です。答えをなるべく見ないで限界まで自分で考えて見ることで視点を変えることができます。続編も出ているようなので是非、頭の固い人は手に取ってみたらいいのでは。。。

さて、そろそろまとめます。ソリューションビジネスの本質は顧客価値(コト)を起点にして価値を訴求するビジネスということです。なのでお客様の数だけビジネスのやり方が変わるということです。従来の営業のように、同じ資料で同じ製品を売るのではなく、お客様の価値の数だけ提案方法が変わってくるビジネスなので、お客様の価値に合わせた資料、製品を創造していくことになります。
今回の事例、私の会社では好評な話だったのですが、顧客価値を知るには比較的わかりやすかったのではないでしょうか?

ところでコンビニは本当にすごいです。当然、NANAKO(チャージ式電子マネー)を活用して買っているから購買記録も全部取られているのだとは思うのですが、母の家には、近所に住んでる私の家には全く届かないクリスマスケーキやら恵方巻やらのカタログが届いています。
恐らくわざわざポスティングしてるんだと思いますが、コンビニと通販番組はソリューションビジネスマーケティングの宝庫なので、そういう目線で一度見てみるのは良い勉強になると思います。ちょっと長くなりました。では、次回も過去に作ったパワポから製造業のソリューションビジネスのヒントになるネタを見つけてお話したいと思います。ごきげんよう!

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