効果的なプレゼンテーションの構成方法【第105回】

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プレゼンテーション

最近は、どの会社でもプレゼンテーションをする機会が増えているのではないでしょうか?リアルなものだけでなくTeamsやZoomを使ってオンラインで実施することもしばしばですね。そんな時に使われるマイクロソフト社のパワーポイントは、もはや企画系だけでなく、開発や販売系のメンバーも必須のソフトウェアアイテムとなっています。
また、Youtubeなど動画コンテンツを利用したプレゼンテーションウェビナーも増えてきていますが、パワーポイントの画面を上手く活用したものも多いですね。このようなプレゼンテーションツールパワーポイント以外にたくさん出ていますが、資料共有や他のソフトウェア(WordやExcel)との連携を考えると、現状パワーポイント一択になってきています。私も一時は、大きな動きと全体像が見渡せる Prezi(プレジ)などを使ってみましたが、すぐ飽きましたね(笑)。Teams会議などではMiro(ミロ)といったホワイトボードツールも使っていますが、プレゼンテーション系パワーポイントですね。
今回は、パワーポイントを活用した効果的なプレゼンテーションの構成について、いつもよりもゆるく説明していきたいと思います。

プレゼンテーションの構成

プレゼンテーションの構成(骨組み)

私も通算にすると、恐らくパワーポイントで4,000ページ以上のスライドを作成していますが、最近はセミナーなど社外的なもの以外はWordに切り替えていますね。パワーポイントはメインメッセージやグラフなどをアニメーションで表現できるので、セミナーや商品説明のように話をしながら補足的に活用する時は非常に効果的です。
しかし、商品開発企画書製品販売計画書などはドキュメントだけがマネージャーやトップマネジメントに回覧されていくので、パワーポイントのように内容がサマリになってしまうと、細かなニュアンスが伝わらなかったり、全然違う解釈をされてしまうこともしばしばです。
では本題に戻って、様々な場面で行われるプレゼンテーション、このプレゼンテーションをする時、効果的に伝える構成はどうすればいいでしょうか?

例えばお客様向けに実施する販促のプレゼンテーションを例にとった場合、BtoB系の製造メーカーでありがちなのが、販売活動に使用するプレゼンテーション資料を技術部が作成した資料を少しだけ手直しをしてお客様に持っていくことです。
技術部の人が作成した資料は販売用のプレゼン資料ではありません。技術者の資料は起点が自社(製品)にあるのでプロダクトアウト的な発想で作られています。これは技術者が悪いと言っている訳ではありません。技術資料は製品のスペックや既存製品や競合製品との比較をする資料なので当然なのですが、お客様に自社の製品を販売する時に使われる販促用のプレゼンテーション資料にはあまり向いていないのです。
特に世の中、購買者は対面販売前に60%以上は決めていると言われているほど情報が氾濫している中で、最初の製品プレゼンテーションは極めて重要です。また、もし初めて自社製品に触れるタイミングがネットの中の世界だった場合、ネットに設置しているコンテンツ(販促プレゼンテーション)が技術資料のようなものだと、そこ時点で選択肢からふるい落とされる可能性もあるのです。プレゼン資料は最初の2枚目までが勝負です。最初の2枚で興味が惹けなければ、少なくともそのプレゼンテーション販売の効果が半減しているといってもいいでしょう。

もし良かったら以前の『販促資料作成に困ったら【第15回】』の記事も是非ご覧下さい。技術資料販促資料の違いを具体的な事例を挙げて説明しています。私の投稿の中でも自信のある投稿の一つです。

販促資料作成に困ったら【第15回】
今回はプレゼンテーション。お客様からプレゼンテーションに依頼を受けたり、何かの商品販売のプレゼンテーションを作らなければならない時に、慣れてない人はちょっとひるみますよね。結局、過去に作成したいろんな資料をくっつけ、削って、なにとか作成し...

さて、様々な場面で使用されるプレゼンテーション資料ですが、具体的にそれぞれのプレゼンを作成していく時の訴求ポイントを挙げていきます。もちろん、これは好みもあるので、これが全てという訳ではありませんが、参考にして頂けたらと思います。

状況別プレゼン資料の作成ポイント

プレゼンテーションの訴求ポイント

販促系プレゼンテーション資料は2枚目までが勝負!

デジタルコンテンツ対面販促資料はいずれもお客様に対するプレゼンテーション資料です。また、プレゼンテーションと言えば販促向けのものが最も活用されるものですね。これについてはしつこいですが、とにかく最初の2枚が全てといっても良いぐらいです。特にデジタルコンテンツはメルマガ等のリンク先から最初にお客様に訴求する資料なので、ここでお客様の購買意欲に突き刺さらなければ、もう販売のチャンスは失ったことと同じになります。提案をするお客様に向けて、この製品はお客様の『こんな課題を解消します!』を明確に、と強く伝えるページが1枚目には必要です。
通販番組やyoutube広告の『1か月で10kg痩せる!』、『3か月で英語がペラペラになる!』ですね。私も信じてないんですがついついクリックしてしまいます。

そして2枚目『解決するとこんな収益(またはコスト削減)をもたらしますよ!』という効果説明ですね。ここは必ず経済性で訴えなければダメです。年間〇〇円の収益だとか、月に〇〇円のコスト削減とかです。正直、ここまでで興味が惹けてなければ、まずホットリードになる可能性は薄いと判断できます。もちろん、プレゼンテーションがしっかりと作られていても、そのお客様の課題(価値)に合致していなければ、そのような結果にもなるのですが、ほとんどのお客様に刺さらないプレゼンテーション、またはメルマガからの問合せが少ない場合はプレゼンテーション資料そのものを早急に見直す必要があります。

あともう1枚つけ加えるとしたら、3枚目成功事例です。2枚目までである程度興味を惹いたお客様は、すでにポジティブプレゼンテーションを閲覧、または聞いています。そこで実際にその製品でうまくいっているユーザー事例を1~2事例紹介します。これで半分疑っていたお客様の気持ちも『なるほど、実際に成功している事例があるのか』ということで、提案製品に対して疑念の気持ちがだいぶ薄れます。対面プレゼンテーションの場合は、特にここに時間をとって説明できるといいでしょう。販促において、あとのページはおまけのようなものです。スペック、既存製品との比較、競合との比較(ROIでの比較になっていれば有効)などは最後に付録的についていれば問題ないと思います。3枚目までで購入の意欲が高まったお客様は、既に価格のこと(いくらで購入できるのか)しか頭にないですから。

インナープロモーション(社内教育)のポイント

インナープロモーション用(社内教育用)にプレゼン資料を作る際は2つ角度から作成しないければなりません。

1)製品の技術情報(コンセプト、スペック、既存商品との比較、競合比較など)
2)販促用プレゼン資料の使用方法(説明の仕方、応酬話法術など)

1つ目は当然、販売する製品の知識を教育することが目的プレゼンテーション、そしてもう一つは、前回説明したお客様への販促用プレゼン資料の解説集です。後者はプレゼンというよりは解説集といった感じですね。パワーポイントであればMicrosoft wordにスライドのプレビューと説明文を自動で書き出し機能がありますので、これを使用すると手間なく解説書が作成できます。

□Powerpointのファイル→エキスポート→配布資料の作成

の順で進めば、いくつかの出力パターンが選択できますので、『スライド横のノート』か『スライド横の空白行』あたりを選ぶと使いやすい解説書が作れると思います。
または実際のパワーポイントのノートの部分(実際のスライドの下側)を使って解説文を書き込めば1つのファイルで完結できるので良いかもしれません。ただ、このノート部分は、プレゼンテーションで実際に話すセリフに使う人もいるので、どちらでも販売側が使いやすい方法で実施するのが良いと思います。

この資料については完全に技術資料になります。販売する製品のコンセプトSTP(販売先)、4P(販売方法)など、その製品に関する知識を販売員に身につけさせることが目的になります。また、製品スペック、既存商品との比較表や、競合比較などを作りこみます。グローバル企業の場合は、英語と中文も作成しなければいけませんね。
また、最近ではこのようなインナープロモーション動画コンテンツで作成するケースも多いです。特に製品仕様などを解説する際は、写真ではわかりづらい点も多く、また動画は言語対応の説明不足分を補ってくれる働きもあります。また動画コンテンツは編集次第で、ユーザーに使用することも可能となり、ランディングページYoutubeのリンク先にも活用できます。

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セミナーでのプレゼンテーション

最後に、不特定多数に使用するプレゼンテーション資料です。これが一番プレゼンテーションという言葉にマッチングしているのではないでしょうか?セミナーなどの時のプレゼンテーション資料はかなり個人差が出ますが、お話がうまい人ほど、ページ数文字数も少ないですね。実は、これは非常に重要です。

1)文字数が少ないと
・聴衆はスライドでは情報がとれないので、自然と講師に目が向く
・スライドを読まないので自然な言葉で伝えられる

2)ページ数が少ないと
・時間の配分がとりやすい、時間切れにならない
・作成するのが楽!?レジメの印刷も安く済む

これは私の経験ですが、スライドにほとんど文字が無いと視線が必ず前を向きます。そうすると講師側のペースでプレゼンテーションが進められるようになり、また身振り手振りといったジェスチャーもうまく活用できます。私はこの視線で、かなりアドレナリンが出て自分のペースに持ち込めます。(視線が下を向きだした時はお休みタイムなので注意ですね)また、当然話術などスキルが必要となりますが、頭に入っていることをしゃべっていくので自然な言葉遣いになり、聞いている人の頭に入りやすくなります。
またページ数も少ないと、ペース配分がとりやすくなります。ちょっと押していれば、そのスライドで話をするトピックを1つ削ればいいのですが、ページがあるとどうしてもそれについて話をしなければならなく、ほとんど説明しないでスライドを送るようなことをすると聴衆に嫌な印象が残ってしまします。『ちょっと時間が押してきたのでこの辺は飛ばします』なんて言われると、良い内容でも雑さがぬぐい切れませんね。
そのスライドでどんなトピックについて話をするのか箇条書きにしておいて、なるべく少ないスライド数で実施すべきです。もちろん、作成時間もレジメの印刷費も安く済みます。

具体的なパワーポイントのスライド作成テクニックについては、またどこかで投稿したいのですが(これはブログでは厳しくてyoutubeでもあればやりたいですね)1つだけ、アニメーションはほどほどにですね。もう文章が出てくるたびに右から、左から文字が飛んでくるプレゼンテーションは聴衆は本当につらいです。アニメーションを使う際は最小限にとどめ、使う時は最低『タイミングの継続時間は1秒以上』『フェードを使用』は守った方が、聴衆が気持ちよく聞けると思います。私の会社でも、部長クラスの会議で『回りながらタイトルが出る』資料を使った方がいらっしゃいました。本当に失笑でした。。。

セミナー用のプレゼン資料の構成は、とにかく起承転結です。最初はすごく興味を惹いたのだが、最終的に何が伝えたかったのかわからないプレゼンテーションって結構多いですね。最初に全体を構成する時にマインドマップツールを使って全体の構成を決めてから、少なくても『起』と『結』は決めて作成に入るといいでしょう。そこを常に意識していれば、途中で若干脱線してもプレゼンテーションそのものの骨格は維持できます。

先ほどページは少なければ少ないほど良い、と言いましたが当然、慣れてない人はそれなりにページを送りながら説明したいものです。当然、私もまだまだページが多いです。ページ数の目安は1ページ5分です。つまり1時間のセミナーをやる時は12枚です。よほど舞い上がって早口で進めない限り、この1ページ5分はかなり精度の高い数字です。(根拠はないのですが、ほとんどの人が5分の法則を言います)

最後にレジメですが、私は会社が主催するセミナーなので自社サイトへのリード収集を狙って、ダウンロードサイトに誘導し配布しています。でも実はこれも、印刷がすごい楽なんですよ。300人のセミナーのレジメなんて6UPで印刷しても相当な時間が掛かります。
最近はウェビナーなども流行りですが、会場代、印刷代、飲料代を含めて相当なコストダウンで進められますよね。今回は、ちょっとゆるく効果的なプレゼン資料の構成について話を勧めてきました。いかがでしたでしょうか?この辺のテーマは営業論と並んで私のライフワークなので思いついたら、また投稿していきたいと思います。
ではまた、次回。ごきげんよう!

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