お客様との温度差を埋めよ!【第72回】

miss6営業論

日常業務が忙しく更新が滞ってしまいましたが、逆に書きたいテーマはいろいろ出てきたので合間を見つけて投稿していきたいと思います。
さて、今回はシリーズで時々書いている『私の失敗』です。このテーマは閲覧数も多いので書くのも楽しみです。今回はお客様との温度差が引き起こした失敗例をテーマにして、営業アフターフォローの注意点について反面教師的に説明をしていきたいと思います。
みなさんも販売活動をしている中で、しばしばお客様と感情的なトラブルになることがありますよね。特に商談のツメの段階で、ちょっとした対応の油断から競合に大逆転を許してしまうということも時々起こります。これを私は『お客様との温度差』と考えています。

お客様との『温度差』とは

『お客様との温度差』によるトラブルは順調にコトが進んでいる時に発生しやすいのです。先程話した事例のように商談の最終段階や問題の解決に向かっている時などです。
また、注文を頂いてから納品まで結構、時間が長いB toB系製造業の製品は、営業の思いが『発注』までに集中する傾向が強いです。
ところがお客様の思いは『発注』時点にはあまりありません。『発注』はあくまでも儀式で、なんといってもテンションが上がる瞬間は『納品』時点です。良く『売ったら全然来ない』なんてボヤかれる営業マンは、明らかにその営業マンと『お客様との温度差』が大きいから発生します。
まぁ、通常の営業マンであればこの辺までは、わきまえていると思いますが、次に注意を留めておかなければいけないのが『支払い』時点です。
私はこれで若い頃に数回大きなクレームを受けました。
お客様にとってはいろいろ工面したお金を支払う瞬間というのは結構思いの大きな瞬間です。しかし最近は振込での回収も多く、営業活動をしているとついつい回収日を失念してしまうことがあります。
私も、この若い頃の失敗から、回収日は必ず手帳に書くようにしていました。実際にお礼の電話をすると、支払日だったことを知らない社長さまも結構多いのですが、悪い気はしないでしょう。また自分も気づいていなかったのに、わざわざ連絡をもらったことで信頼感は高まるはずです。
販売活動はちょっとした気づきを実行できるかで大きく局面が変わってきます。前述の通り発注時点が始まりと考えるようにしてお客様の気持ちを汲みとり、その場その場で気の利いた対応をとっていけることが重要です。
ちなみに私は回収日でミスをして手帳に書いていたにも関わらず、今度は頭金の回収日を失念し、同じ失敗をしたこともありますので、本当に販売活動にとって油断は大敵なのです。

『うちのこと甘く見てるよね』

さて、ここからは今回の失敗例です。
これは商談時ではなくアフターフォローの時です。納品した機械で不具合が多く発生し、納品してから毎週のように不具合対応をしていたお客様がありました。
実はこのお客様は私が駆け出しの頃に担当していたユーザーで、当時、実際に弊社の機械をオペレートさせていた方が工場長や製造責任者になっており、昔のリレーションもあって私が解決の窓口を買って出ました。実際にその効果もあり、険悪だった状態をだいぶほぐして問題解決に向けて期待をかけて頂きました。
お客様には日々の生産や人員のやりくりに大変迷惑をかけ続けていることは重々承知していましたし、それを真摯に受け取り、全社を上げて対応していたことも間違いありません。
しかしながら問題はなかなか解決せず、3ヶ月が経過したのち、お客様より『今月、御社が欲しいだけの時間をあげるので今月中に解決して下さい。ダメなら機械を交換して下さい』との最後通告を頂くことになりました。本当にメーカーとしては非常に情けない話です。

いよいよ待ったなしとなり、今まで以上に対策を検討、再分析をして1週間の対策工事のための時間を頂くことになりました。
その後、集中的な工事の時間を頂いた甲斐もあり、ようやく一部の残件を残して、概ね良好のご評価を頂きました。
油断をしていたつもりではないのですが、残った残件についても、あと1〜2回調整すれば治るという見通しがついていたこともあり、また、お客様からも『これで入れ替えなくてもよかったね、安心したよ!』といった前向きな言葉を頂いていたのでどこか緩んでしまったことも否めません。
そんなある日、弊社の技術者より『明日、これまでの経緯と今後についての説明で呼ばれたので、打合せに行ってきます』との報告がありました。
当然、ずっと絡んでいた話ですし、行かなければいけないとは思っていたのですが、その日は重要な会議があり、またアポイントは先週からすでに決まっていたようだったので魔が刺してしまいました。『今回は報告だけですし』との技術者の言葉にも後押しされて結局会議を優先してしまったのです。
後から冷静に考えればどう見ても行くべきだったのですが、不具合が概ね解消したことで心に相当油断があったのでしょう。
ちょうど、技術者が訪問する予定の時間にお客様から連絡がありました。一瞬で今回の選択肢が間違っていた事を理解しましたが、もう後の祭りです。
『今日、Fujiwebsさん来ないの?今日は約束期限の月末だよ。これまでの対応についてどんな説明が頂けるのか、役員含めて待っていたんだけど、Fujiwebsさん来ないんだったら意味ないんで、今日来た技術者には会いませんので帰ってもらいます』
そのあとに、今回のセリフが浴びせられました。

『結局、fujiwebsさんも真摯に対応するなんて言ってたけど、そんな気は感じられないよね。うちのこと甘く見てるでしょ』

痛切でした。もう言い訳もできないくらいに。
リレーションができていると思ったお客様からこのような言葉頂いてしまったことに、久しぶりに大きな後悔をしました。
改めてお客様の対応、特にご迷惑をかけたクレームなどには決して油断してはならないという事を肝に銘じた瞬間でした。

今回の最大の問題は『今月中に不具合を解消する』と言った目的の温度差を私が感じることができずに起こったことが原因です。また、問題が解決したことで大きな油断をしました。
温度差がズレた時は必ず問題が発生します。みなさんもお客様の気持ちを的確に掴み、温度差を合わせて私のように、決して油断しないように気をつけて下さい。今回のようにトラブルを解決に導いている時はなおさらです。

さて、今回は恥を晒すようなお話でした。何年営業をやっていても、時おり、このような油断から問題を起こしてしまうものですね。お客様と接する仕事には『ここまで』というものはありません。常に期待を上回る対応に心掛けていきたいものです。
よく若い営業マンに『そんなにいろいろなことに気を遣ってたら楽になるときなんてないですね』なんて言われます。そんな時は必ず『仕事には楽しいことはあるけど楽なことはないよ』と伝えています。お金を頂いているわけですからその通りですよね。本当にお客様に接する仕事には気を緩めるところはないのです。
では、今回はこれまでです。恥ずかしい内容ですが、あえて反面教師として投稿のテーマにしてみました。参考にして頂けたら幸いです。では、また次回。ごきげんよう!

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