初歩の製造業DX【第51回】

DXスマートファクトリー

さぁ、新しい気持ちで51回目の投稿にいきたいと思います。今回はなかなか言葉が先行し、実際に土何のことなのかよくわからないDX(デジタルトランスフォーメーション)について取り上げたいと思います。ちょうどリアルなセミナーでも、この題材で講演する予定だったのでDX(デジタルトランスフォーメーション)の概念キーワードについて用語集的に説明をしていきます。私もまだまだ勉強段階ですので、これを機に更に深められたらと思っています。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは

デジタルトランスフォーメーションの定義

最近、なにかビジネス系の記事を見ると必ず出てくるのがこのDXという言葉。4~5年前のIoTに近い感覚ですね。そもそもデジタルトランスフォーメーションなのにDTでなくてなぜDXといったところから不明な方も多いのではないでしょうか?(Transは交差するという意味で『X』と同義、プログラミング用語dtとの重複を避けた)

デジタルトランスフォーメーション(DX)『DX推進ガイドライン』

企業がビジネス環境の激しい変化に対応しデータとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土を変革し競争上の優位性を確立すること
https://www.boxsquare.jp/hubfs/resource/pdf/20181212004-1.pdf

2025年の崖『DXレポート』

現在のデジタル化における問題点を解決しないと、日本経済は2025年から2030年にかけて年間12兆円の経済的損失を被ると指摘しているレポート 主にERPシステムの老朽化、IT人材不足などが指摘されている。
https://www.boxsquare.jp/hubfs/resource/pdf/20180907_01.pdf

経産省の『DX推進ガイドライン~2018年12月』では上記のように定義されており、ガイドラインなのでかなり概念的な指標が出されています。この概念で判断すると『企業は製品やサービスだけでなく、社内のさまざまなシステムをデジタルに置き換えていかなければならない』ことを意味します。この企業のDXを考えていく上で、製品軸(自社のお客様向け)と社内システム(自社内)に分けて考えなければならないと思いますが、現在、具体的な事例としてキーワードになっているのは下記のようなワードではないでしょうか?

1)製品軸(自社のお客様向けサービス)
①プラットフォームビジネス

GAFA(google・Amazon・Facebook・Apple)は大手クラウドプラットフォーム企業ですが、日本でも、それらのプラットフォーム下や独自に、よりセグメントされた範囲でプラットフォームを握るビジネスが展開されています。フリーマーケットアプリ大手のメルカリや名刺管理アプリであるEightやSansanなどは、独自プラットフォームを構築し、大きな利用者を獲得しています。
プラットフォームビジネスは大量な利用者(会員)を獲得することで、その会員を、そのプラットフォームに参画する提携企業に提供していくビジネスです。つまり、利用者提携企業の両方から収益を獲得することが可能です。(基本、どちらかに寄せていく)
また、会員が多くなればプラットフォームそのものを広告サイトとして活用することも可能になります。(Facebook、Twitter、最近ではInstagramも広告増えましたよね)
②CX【カスタマーエクスペリエンス】

上記の大量な会員利用情報から、自社の製品・サービスの価値を長期的にお客様に与え続けていくビジネス育成がCX(カスタマーエクスペリエンス)です。顧客接点のポイントから比較・購入、使用状況、アフターサービスなど物質的な価値を提供することや、雰囲気やイメージなど非物質的な価値を提供することもあります。
③製品のサービス化【コト製品化】

音楽や動画配信サービスなど、従来であればモノ(CD、DVDなど)の販売をしていた製品を、デジタルコンテンツ化することで『音楽が聴ける』『動画が見れる』といったコトの提供に変えていくことです。ビジネスの基本はクラウドから提供されることが多く、価値取引が所有から利用に変わっていくビジネスです。主にサブスクリプション(月額課金)によって取引が行われことが多いです。

2)社内システム
①テレワーク(働き方改革)

テレワークが推進させることにより、会社側は出張費や車両費、コピー代などの販管費人件費の削減(通勤手当など)に繋がります。オフィスの小型化地方移転などによる固定資産の圧縮もフレキシブルに加速させることも可能となります。
また雇用者側は、長時間通勤の問題や、子育て介護問題などの問題に対して、ワークライフバランスが実現でき、従来の業務のデジタル化が進むことで業務効率も飛躍的に進みます。
更に社会的にみても労働人口問題の緩和環境負荷(昼間電気使用量など)にも効果があります。
②システム統合と再活用(顧客、生産、会計)
・・・2025年の崖
社内の基幹システム(ERP)を統合することで、それぞれのシステムに関係していた間接費用の削減が進み、データベースを異なった部門間で共有できるようになります。またクラウド化することによりシステムの改築をフレキシブルに行い、システムの管理費用を固定費化する効果があります。
③スマートファクトリー

これについては、事項で掘り下げて説明致します。

製造業のDX~スマートファクトリー

製造業のDXといえば、Industry4.0に繋がるスマートファクトリー化が思い浮かびます。ではこれを達成するためにはどのようなところがポイントになるでしょうか?

製造業のDX取組み概念図

DX(デジタルトランスフォーメーション)は非常に範囲の広い言葉なので捉え方によっていろいろな見解があると思いますが、この2年ぐらいで労働生産性Industry4.0などのセミナーをしてきた中で、ある程度、概念として求めたのが上の図表です。
特に山田太郎氏の『インダストリー4.0の教科書』の内容には非常に影響を受け、労働生産性だけではスマートファクトリーは作れないということを認識させて頂きました。

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まず、製造のDX(デジタルトランスフォーメーション)の達成に重要なのは以下の3つの柱です。

1)スペックの最適化
工程改善よりもまず、製品スペックを最適化することが必要です。多品種変量生産Industry4.0のポイントですが、無尽蔵にスペックを増やしていたら生産の効率も上がりませんし、パーツの調達・購買、また在庫の管理も大変です。販売するお客様を洞察し、販売量が最大化するスペックを開発時点で決定して進めることで最も生産のスマートファクトリー化が進みます。このためにはお客様の課題の洞察が非常に重要になります。
現在はお客様の課題や要求が多様化してきています。現在は企業規模よりも、いち早くこの顧客課題を発見し、商品化が早い企業競争有利に立てる時代です。またデジタルマーケティングは、この企業規模を縮めるのに最も有効です。ネットでの集客は営業マン1,000人よりも拡散力、情報収集力があるのです。まずDX(デジタルマーケティング)を有効に活用し、顧客課題を洞察するソリューションビジネスを展開してスペックを統合してみて下さい。

ダイレクトレスポンスマーケティング【第36回】
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2)スループットの最大化
私は今までのセミナーの中で『IoTを活用した労働生産性の極大化』スマートファクトリーのテーマと話をしてきました。スループットの最大化はまさにこのことを表しています。
スループットの最大化には2つの工程の見直しが必要です。一つは工程や工程間ごとの効率の向上です。特に日本企業は工場の敷地が狭いため、半製品の動線を考えずに設備機器を設置していることが非常に多いです。またもう一つはフローの清流化です。全ての工程が同じ時間で同じ数量処理できているのかを考えないと、半製品がボトルネックの工程前で溜まり、結局ボトルネックの工程が生産数を決めてしまうことになります。一般的に付加価値の高い工程に対し、更に設備投資をしていくことが多いのですが、効率が良い部門へ設備投資をするのではなく、ボトルネック部門こそ設備投資を行っていくことが重要です。
これを分析するのがIoTです。工程ごとの着手完了情報IoTを経由してデータ化できれば、今までは属人的な能力で生産効率を高めていたことが、データから正確に分析することが可能となります。

スループットの考え方

3)プロダクトサイクルの最小化
大ヒット商品は極めて少なくなってきています。また、ヒットの期間も非常に短くなっています。BtoB系製造メーカーでも製品のライフサイクルが短くなってきます。その場合、その製品を製造するためのROIは最大にしなければなりません。効率の高い設備をなるべく短期間に償却していくことが大事になります。なるべく迅速に開発、製造、販売をして投資を回収したら、次の製品に移行できる製品サイクルを実現することで、変化に強いスマートファクトリーが構築できると考えます。

さて、今回はいかがでしたでしょうか?ざっくりとDXの本質、並びに企業のDXをどの切り口から始めれば良いのかを説明させて頂きました。DX取組みのヒントになって頂けたらと思っています。
特に今回扱ったスマートファクトリー化は自社の製造の見直しと同時に、それをお客様側に向けることで顧客課題を解消できる提案にも繋がります。BtoB系製造メーカーとしてはそれこそ顧客課題を解消する大きな提案であり、そこに自社の製品・サービスを絡めていきたいところです。
これから日本は世界で類を見ない少子高齢化社会に突注します。それに企業が対応していくためには製造のDX化は避けて通れないのです。
では、今回はここまで。ごきげんよう!

インダストリー4.0【第28回】
みなさんこんにちは。ついにこれをテーマに書くころかな。3年前にこれの意味の理解に、相当本を読みました。でも結局良くわからず、私の会社も大きな展示会を目前にし、最終的には自分なりの解釈で会社の製品コンセプトをまとめましたが、これについてしっ...

コメント

  1. 池田 孝治 より:

    昨日は有り難う御座いました。
    誤植発見w→2015年の壁となってます!