CTP時代の校正は?
Last update/Apr.30,2004(Ver.3.0)

校正というものが、この所急激に変わってきていますね。お客様との色・文字・レイアウトを確認する校正は、印刷会社では絶対不可欠・不可侵の物として君臨!?しています。しかし、しばしばこの校正によって印刷が難しくなっているのも現実だと思います。ではまず、校正の種類を説明していきましょう。

<校正の種類分類>
種類 プルーフ分類 校正 方法
アナログプルーフ インキ型プルーフ 平台校正 フィルム→刷版→校正機
本機校正(印刷機校正)★ CTP→印刷機(フィルム→刷版→印刷機)
ケミカルプルーフ 印画紙校正 フィルム→印画紙出力
デジタルプルーフ DDCP型校正 印画紙校正(網点出力) DTP(大貼り・RIP)→DDCP
インキジェット/熱転写プリンター他★ DTP(大貼り・RIP)→プリンタ
用紙レス 通信型 リモートプルーフ DTP(PDF変換/通信)→カラーモニタ
校正レス(濃度管理)★ 基準濃度のみで印刷を管理


90年代後半までは校正といえば平台校正屋さんにお願いするのが普通でしたよね。今でも主流であることは間違いないんだけどDTPの発展とともに校正も大幅に変わってきています。そういった中で今後、主流となりえそうな校正は上記表で★マークをした3種類じゃないでしょうか?(外れても許してね)
まずDTPといったデジタル化の流れのは当然の事ながらノンフィルム化、つまりCTPやオンデマンド印刷機の方へ進んでいます。すると今まで当然のようにあったフィルムがなくなり、従来の平台校正や印画紙校正(いわゆるコンセというやつ)は物理的にもコスト的にも難しくなってきます。「CTP版を校正機にかければ良いではないか?」という方もいらっしゃるとは思いますが、校正用に使用するPS版とサーマルの版との価格差は縮まってきたとはいえ、\200/1版(半裁)以上あり、また校正会社がCTPを導入していることも少なく、CTPの版を校正会社にハンドリングする手間まで考えると、大きなストレスとなるでしょう。>
また印刷のローコスト化が加速している中で、「安かろう、悪かろう」のクライアントも増えて来ています。インキジェットプリンターは設備費用・出力費用が極めて安くでき、校正の新しい主流となりつつあります。特に各社が出しているカラーマネジメントシステムによりカラーマッチングされたインキジェットプリンターの品質は色味だけであれば、かなりオフセットに近い品質を実現することができます。

さらにその流れを究極に発展させたのがリモートプルーフや校正レスのパターンです。リモートの方は理想の校正ですが、相変わらずRGBとCMYKの垣根が高く、またモニタの色再現の個体差(機種間や経時変化など)が大きく、むしろ基準濃度のみで管理をする、校正レスといった形もインターネット受注の会社を中心に出回ってきています。これらの用紙レス校正は、今までの印刷=地域産業の環境を広げ、受注の領域を広範囲に展開することができます。

さて、従来のアナログ型校正はどうなるでしょうか?アナログ校正の最大の魅力は、実際の印刷と同じ手法で印刷されるということです。校正の意味合いとしてはこれ以上、確実なものはなく、簡単で手頃な校正が増えれば増えるほど、一方ではより、印刷物に近い校正も求められると考えられます。世の常として、より良い物とより安い物は必ず、残るのです。このような観点から考えると、実際の印刷機で校正を刷る、本機校正に軍配があがりそうです。でも、ちょっと待って下さい。「たった5枚から10枚ほどの校正紙ととるのに、おびただしい程のヤレ紙で色調を調整してどうする!」といった疑問があるでしょう。そうじゃなくてもオフセット印刷機の平均単価は約1億、たった5枚の校正紙を取るには極めて投資(通し?!)金額の大きいものになってしまうのです。では実際に本機で校正とるとなった場合の問題点と実際に解決させる手法について書き出して見ましょう。

<本機で校正することの問題点>

校正紙って何を基準に印刷して良いか解らない。
印刷機で校正を取るといっても通常、印刷のオペレーターは「校正紙にあわせる」といった仕事しかしていないため「校正のない物をどうやって印刷するの?」ということがあります。そのために自分の会社のベタ濃度(基準濃度)を決めて、それに合うように印刷する、という方法になります。印刷物のくわえ側に色玉(カラーパッチ)を焼き込んで、それを測定し決められた基準濃度にパッチを合わせることによって校正紙を印刷します。このパッチの量は多ければ多いほど良いのですが(ツボキーごとに各色1つずつあるのが一番)、専用の計測器が無い機械であれば、用紙の両端・中央・中央と両端の中間の5カ所ぐらいが妥当な線ではないでしょうか?また、基準濃度の設定値(D:デンシティ)は印刷会社でもまちまちですし、また印刷会社内でもクライアントによって、別々の基準を持っているなどが通例です。(ホントは1社・1基準が最高なのですが)

カラーパッチを測定するのが面倒、大変
くわえに入れる色玉(カラーパッチ)は当然、小さい物になるので測定するのは非常に大変です。4色で5箇所のパッチを測定すると、全部で20カ所を測らなければならないことになります。そのために、このパッチを自動で測定する装置のことを色調管理装置と言い、専用のパッチと一緒に各メーカーから発売されています。この装置はパッチの濃度を読みとるのと同時にCRTに結果をグラフ表示し、視覚的にもすぐ解るようになっています。また付属の専用パッチがツボキーの数に準拠しているため、シアンの6番目のキーが0.2D(デンシティ)程、濃度が低い等、調整も楽にできます。(更に機械にフィードバックしてくれる機能を持った物もあります)まあ、本機校正をメインの生業にしたいのであれば、必ず装備したい設備ですが、結構高い装置であることもお忘れなく。(仕様にもよるが\13,000千円〜\35,000千円/定価ぐらいかな)

色出しまで、かなり用紙を使用してしまう
この問題が一番大きい問題です。たかだか5枚〜10枚の校正紙を取るのに100枚も200枚も印刷してしまうようでは用紙代で赤字になってしまいます。その問題を解決するのが色調クイック合わせ装置(各メーカー、いろいろな呼称で呼んでいる)です。よく印刷の経験のない方は、印刷機は版を取り付けて刷ってしまえば簡単に印刷が完了してしまうと思いがちでしょう。しかしコピーやプリンターと違い、実際は結構シビアなんです。(最近は経営者層にもこのぐらいの認識の方がいらっしゃるようですが)ちなみに現状、最も多い印刷の色合わせは絵柄面積読み取り装置を使用して大まかなツボの開き量を設定して印刷をスムーズに立ち上げるやり方が一般的ですね。この方式だとツボの出し量が解らないオペレータでもある程度の印刷ができ(スキルレス)、また人によってのバラツキを無くす(標準化)ことができます。この絵柄面積率測定装置がデジタルになったのがCIP3/4です。(正確にはCIP3/4の1機能ですが)しかし、このやり方では絵柄や用紙の違い(インキをたくさん使うものと使わないもの)や、前の仕事の絵柄残りなどが細かく設定できません。色調クイック合わせ装置は上記で行う絵柄面積のデータをもっと細かく、またいろいろな環境(用紙の種類・絵柄など)に合わせてカスタマイズでき、30枚以内で、ある設定した濃度(基準濃度)まで色調を立ち上げる装置です。大部分のメーカーが印刷機にソフト的・ハード的にデフォルトを組み込んでおり、機械納入後は印刷会社サイドで数値の書き換えや追加設定ができるようになってます。こうして刷り出し30枚で印刷された印刷物を前述の色調管理装置で測定、確認し少ない用紙で校正紙を取ることが可能になっています。

総括として以上3点の校正は、現状の業界の流れを見ている中では主流となりつつあります。インキジェットプリンターでの校正(カラーマネジメント済み)は投資コストが安く、技術革新のスピードも早いため、今後も期待できるスタイルですし、本機校正も現状の校正確認システムという観点からいうと最高レベル(実際の印刷と同じ方法なのだから当たり前だが...)の物であることは間違いありません。どれが一番良い方法というものは、簡単には決められないでしょうが、私的には校正レスこそ、印刷業の高い塀を壊し、印刷という仕事が解りやすくなる究極の校正なのではないかと感じています。
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