コーター装置を使った特殊印刷構成
Last update/May.1,2004(Ver.5.0)

さて、前項2項で印刷で使用されるニス、その乾燥装置、またコーター胴の種類などが解ってきたと思いますがこの項では、インラインコーター機の中でも特殊な印刷機で印刷をしている事例をご紹介します。そもそもコーターの創世記の頃は「パウダーの量を減らしたい」とか「板取をしたくない」という目的で印刷面をニスで覆って乾燥させようという意味合いもありました。アメリカに納入されている印刷機がほとんどがコーター付きであるのも、こうしたメリットのためと言われています。しかし、最近は従来、印刷後に行っていたニス引きやP-P加工、箔押しなどの表面加工を印刷と同時に行うことで、コストと納期、作業者の負荷を最大限減らすために技術が進んでいっています。特に光沢の追求という所が大きな目的ですが、対象比較になるのがP-P加工の置き換えが目的である場合が多いようです。
P-P加工は前項でも説明しましたが30ミクロンぐらいの薄いポリプロピレンのシートを印刷物の上に接着していく加工で、A4など小口単位で頼むと1枚50円〜70円ぐらい、また商業ベースで菊全(939×636)やK判(940×640)等、大きなサイズで大量に頼んだ場合でも1枚60円〜70円ぐらいの費用がかかります。(菊全にはA4が8面付きますのでA4単価は7.5円ぐらいとなります)また、横持ちの運賃も発生し、実質は相当なコストがかかることになります。更に、ポリプロピレンは焼却時に、有害な環境ホルモンを発生することから、剥離して分別処理をしなければならなく、環境の時代といわれている21世紀には非常に障害になると考えられています。以上のような観点から「ポストP-P加工」としてインラインコーターが注目されている訳です、下記のようなタイプの機械を開発し、光沢レベルだけは、かなり近い所まで追いついています。

<UVチャンバーコーター>

チャンバーコーターは、もともとフレキソ印刷の技術をニスコーター胴に応用した仕様です。アニロックスローラーとは、セラミック溶射をしたローラーにレーザーでピラミッド型や斜線、亀甲型などに彫刻したローラーのことで、この彫刻された凹みの部分にニスやインキが入り込み、それを版に転写していく訳です。アニロックスローラーに彫刻された凹みをセルと呼ぶのですが、このセルが1インチ当たり、いくつあるか(線数/LPI)で仕様が決定します。同じ線数でもセル容積の違いが若干あるのですが、通常、線数が少ないほど、セル容積は大きくなります。フレキソ印刷では300線〜800線といった所が標準ですが、ニスコーターの場合は、なるべく厚くニスを転移したい訳ですから、150線以下といったセル容積の大きなものを使用します。さらに100線以下といった低線細のアニロックスローラーを使うことによってP-P貼りに近い光沢を実現することができるのです。但し、厚盛りになればなる程、乾燥の問題でUVニスを使用しUV硬化させる方法が主流です。

<DU(ドライングユニット)+UVチャンバーコーター>

この構成は、上のチャンバーコーターを発展させた物です。印刷の上にすぐニスを塗布するのでなく、ドライングユニットで一度、下刷りインキを乾燥させてからニスを塗布するという方法です。これによってDRYな紙面にニスをのせることができ、下刷りインキがニスの樹脂成分に影響を与えなくなり、またコーター胴への逆トラッピングも気にすることがないため、最近よく使われている構成です。ドライングユニットではなく胴間UV(インターデッキ)という方法もあります。

<ダブルコーター>

この構成はコーターを2つ繋げたものです。コーターとコーターの間にはドライングユニットを配しています。(続く)

<DU(ドライングユニット)+ダブルコーター>
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