印刷物の表面加工とコーター装置の仕組み
Last update/Apr.30,2004(Ver.3.0)

印刷物にはいろんな表面加工が伴うケースって多いですよね。例えば、雑誌や書籍のカバーにPP(ビニール貼り)をしたり、自動車のカタログなどで車のボディ部分だけにニスを塗布して、商品だけを目立たせるなど、最近は良く見かけるんじゃないかな。これらは印刷の後に何らかの加工をしてできあがっているんだけど、印刷と同時に表面加工をしてしまう機械が最近、非常に流行っています。印刷会社も今までと同じことをやっていたら、先が心配ということなんですかね?こうした印刷と同時に表面加工(特にニス引き)をしてしまう印刷機をインラインコーター機といいますが、まずは表面加工の種類をハッキリさせてみましょう。
印刷物にはいろいろな表面加工がありますが、その目的のほとんどが「表面保護」と「光沢」ですよね。その2点をメインに表面加工を分類していくと下記の通りになります。表で2段目のカレンダープレスまでがオフライン加工(印刷して、別の加工機で加工)、それ以降の3段がインライン加工(印刷機で印刷と同時に加工)です。

<表面加工の分類>
表面加工の種類 光沢 表面保護 加工方法
P-P貼り(ビニール引き) 5 5 ポリプロピレンの薄いビニールを印刷用紙に重ね、熱を加えて貼りつけていく表面加工
カレンダープレス加工 5 4 水性の樹脂系のニスを用紙に塗って、その後蒸気で暖められた大きなシリンダーで溶かしながら固めて鏡面仕上げにする
UVニスコーター 4 3 主にインラインコーター機のコーター部分にUVニスを入れて用紙面に塗布しUV光を照射して乾燥させる
水性ニスコーター 3 3 主にインラインコーター機のコーター部分に水性ニスを入れて用紙面に塗布しIR光と熱風ドライヤーにて乾燥させる
OPニス印刷 2 2 印刷インキと同様、ツボに油性のニスを入れて、通常の印刷と同様に版胴−ブランケットと転写して印刷する

表を見てもお解りの通り、オフライン加工の方が光沢においても表面保護ということに置いてもインラインを優っています。しかし、なぜインライン機が流行っているのでしょうか?
大きな理由は環境問題と印刷物の納期、そしてインラインコーター機のレベルUPが挙げられます。ポリプロピレンを貼りつけるP-P貼りは、再生紙等の問題(再生紙にする際、ビニールを剥がす手間があり古紙回収に回せない)や焼却時の有害ガスの問題などがあり、今後の情勢をみると縮小していくと言わざるをえません。またカレンダープレスにしても、一度印刷したものを、横持ちをかけて加工会社に運び、加工をしてもらう等、短納期が要求されている業界の流れに合わず、また費用がかなり、かかることになります。
こうした流れから、ある程度「光沢」と「表面保護」で許される物からインラインで仕上げてしまおう、という動きが出てきているのです。ちなみに、このインラインコータの技術の歴史は意外に古く、特にこれまではパッケージユーザー向けの特異な印刷技術でした。簡単にニスの歴史を振り返ってみると、OPニス(ツボニス)が表面加工の元祖でしょう。塗布方法はニスをツボに入れてインカーで練られたニスを文字通りインキ同様の方法で用紙に塗布していく技術で現在も良く利用されている方法です。光沢はあんまり無く、表面のインキの保護が大きな目的でした。
光沢を意識してのニスは水性のニスが登場してからだ。水性のニスが印刷機で使われだしたのは80年代初期で、当初は給水装置の水舟にニスを入れて、水と同じように版面ーブランー用紙、と塗布していったのが始まりです。但しこの方式では本来、タックの少ない水を送る装置なのでタックが大きいニスでは均一に塗布することが難しく、しばしばムラやニス飛びを起こしてしまっていました。
その後ニスを塗るための専用ユニットが考えられ、ニスの供給が安定する様になって、ニスもUV硬化する組成のものができ、インラインでもP-Pやカレンダープレスに近いハイグロスな表面加工が与えられるようになったのです。
ではインラインコーターの仕組み(構造)はどうなっているのでしょうか?それは下記のように印刷機の最終ユニットの後にもう1胴増やしてニスを塗布していく構成でブランケットに転写されたニスが用紙に塗られていく、というものです。(原理はハンコと同じ)また、ブランケットを部分的にはがしたりすることにより、ニスの塗られる部分と塗られない部分を作ることができます。例えば、パッケージのなど、後から糊を付ける部分やレーザーで賞味期限などを印字する部分がある場合、ニスがのっていると都合が悪いので、この様なとき、塗りたくない部分のブランケットをカッターで切りはがしてしまえば、そこにはニスが塗られなくなり、まどを抜くことができるのです。

ではインラインコーターの仕組み(構造)はどうなっているのでしょうか?それは下記のように印刷機の最終ユニットの後にもう1胴増やしてニスを塗布していく構成でブランケットに転写されたニスが用紙に塗られていく、というものです。(原理はハンコと同じ)また、ブランケットを部分的にはがしたりすることにより、ニスの塗られる部分と塗られない部分を作ることができます。例えば、パッケージのなど、後から糊を付ける部分やレーザーで賞味期限などを印字する部分がある場合、ニスがのっていると都合が悪いので、この様なとき、塗りたくない部分のブランケットをカッターで切りはがしてしまえば、そこにはニスが塗られなくなり、まどを抜くことができるのです。

<コーター胴の構造(ロールコーター)>

また、最初にちょっと説明した車のカタログなど、「ボディ部分だけにニスを塗りたい」といった場合はブランケットを切って対応していたのでは不可能なので、樹脂版を用います。さて、実際のインラインコーター機については、別項「インラインコーター機の種類」でいろいろ、ご紹介していますので、是非併せて見て下さい。
だいたい、表面加工方法とコーター装置と呼ばれものが解って頂けたでしょうか。パッケージの印刷物などは、ほぼ必ず、何らかの表面加工を行っていますので、「これは、どの加工だろう」など考えて箱を眺めるのも面白いかもしれません。
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