8色印刷機って何がすごいの?
Last update/Apr.25,2004(Ver.4.0)

もう、ちょっと古い話題になってしまうけど、結構質問が多いので
「8色機」について説明しましょう。8色機といっても、ほとんどの場合、8色別々の色を印刷する機械のことではありません。通常8色機とよんでいるのは「表・裏4色カラーを同時に刷り上げる印刷機」つまり1回の印刷で両面4色の印刷が完了してしまう、というオフ輪みたいな枚葉印刷機のことで、WETな(乾きの悪い)インキを使っているオフセット枚葉印刷の常識から言うと、スゴイ機械なのだ。まあ、当然デメリットな部分も持ち合わせているんだけど、まずは、機械メーカーさんや印刷会社さんが「うちの8色機はね...」などと話していたなら4/4色を同時に刷り上げる機械と思って、間違いないでしょう。但し、その8色機にも、分類があるんです。

@表面4色を刷って、途中で用紙を反転させて裏面4色を印刷−反転機。
A表裏、表裏..と用紙を反転せず、一方方向のクワエで印刷−専用機(通称2階建)。

大きく分けて2種類があるんですが(最近はもう1種類でている後述)、この項では、まず従来の片面機との比較をメインでお話しようと思います。ちなみに別項にて「反転機と専用機の比較」と称して2つの機種を比較してますので、良かったら、そっちも覗いて見て下さいね。
さて従来工程との違いですが下記のワークフローを見て下さい。

<片面機(従来機)と両面機の生産工程比較>
従来工程
先刷準備 先刷印刷 乾燥 反転/積替 後刷準備 後刷印刷 終了
両面機工程
両面準備 両面印刷 終了

と、両者の工程の違いは一目瞭然、まさに手集版とDTPほどの違いがあるのだ。このように単純に生産効率改善を考えると8色機というのは今、印刷会社各社が抱えている「短納期」「低価格」といった悩みを解消し、また社内的には「用紙のスペース・物流の改善」「一人当たりの生産力UP」など様々なメリットを持っている、まさにスゴイ機械なのだ。俗な言い方をすれば「経営者向けの機械」とも言えるのだ。
実際にこの8色機、非常に売れている。前述した専用機・反転機併せて、国内で既に150台以上が稼働しており、その中には4/4色印刷だけでなく5/5色、6/6色という機械も混ざっているという状況なのだ。1家に1台ならぬ1社に1台という感じだね。
とにかく良いことばかりの8色機だが、当然デメリットも持ってます。これも別項の反転機と専用機の比較で詳しく述べさせて頂きますが、どちらのタイプでも印刷した面が圧胴に押しつけられるということ。従って、圧胴にインキが取られたり、滞留したりしないように特殊セラミックにシリコンを塗ったジャケットと呼ばれるものを圧胴に巻いているのが通常です。このジャケットの性能で刷り上がりの品質が変わってくる、といっても過言ではありませんが、どんなに好条件を揃えても片面機で刷った物とは若干の品質の劣化(ベタのツブレ不良/ジャケット目)が見られます。また、ジャケットは消耗品であり、高価なため定期的は費用がかかるといっても良いでしょう。さらに印刷機は排紙部分で用紙にブレーキをかけるための吸引車(バキュームホィール)がついているのですが、排紙部で下側にくる印刷面は吸引車のコスレを避けるために、必ず、最低1箇所ドブ(余白)を作らなくてはなりません。このような制約がデメリットと言えるでしょう。

<両面印刷時の圧胴断面>

さて、両面8色機のスゴさが少しはご理解頂けたでしょうか?前述のデメリットも確かに持ち合わせているのですが、時代の流れから考えると枚葉印刷機の8色機化(正確にはワンパス化)は今後も進むと考えられますし、その8色機でさえ、一部では両面機価格(印刷)なるものが発生してうまみがなくなっている、という話もあるし、とにかく中堅の印刷会社にとっては避けて通れない機械の選択になるんじゃないでしょうか?、ということで本項を閉じさせて頂きます。

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